急増するETC利用者

 北京でETCの設置が急ピッチで進められている理由は、「実施方案」に「2019年10月末までに、すべてのレーンにETCサービス機能を整備し、大・中都市、新設都市、観光エリアの周辺における料金所では、専用レーン比率を70%以上にする」と明記されているからだ。事実、前出の「京承高速」だけでなく、北京市内から郊外に向かう高速道路でも同様にETCが急増していた。

 現金支払いレーンが減少したことで渋滞は一時的にひどくなる。長蛇の列に並ぶドライバーが、大渋滞を横目にETC専用レーンを通過する自動車を見てETC搭載を検討するのは自然の流れであろう。

 実際に、ETC利用者数は急増している。交通運輸部の発表によると、19年7月18日時点で、ETC利用者数は9151万人に達し、昨年末から1495万人(19.5%)増加した。一日の平均増加数は42万人に上り、前年同期比の約7倍になるという。

 それでも「2019年末までに利用者数1億8000万以上」の目標にはまだ遠く、年末にかけて普及策のさらなる強化実施が予想される。

 中国のやり方は多少強引ではあるが、結果として、ドライバーの時間短縮、料金所の人件費削減及び人手不足の解消、金融機関のビジネスチャンスの拡大、さらには渋滞緩和による大気汚染の軽減といった多くのメリットをもたらしている。

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