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最近ETCが急増した「京承高速公路」の料金所

 北京市内と河北省・承徳市をつなぐ「京承高速公路」。北京北部に集中するゴルフ場へのアクセスが便利で、市内在住のゴルフ愛好家であれば一度は通ったことのある高速道路だ。その途中にある合計22レーンある巨大な料金所の風景が、短期間で大きく様変わりした。

 それまで隅っこの方に数カ所しかなかったETC専用レーンが一気に全体の半分以上の12レーンまで増設されたのだ。

 その背景に、中国政府主導による高速道路ETCサービスの普及推進の強化がある。中国の経済政策を決定する上で重要な役割を果たしている国務院の中核組織・国家発展改革委員会と交通行政を担う交通運輸部は2019年6月4日、高速道路ETCサービスの推進加速実施方案」(以下「実施方案」)を公表した。

 政府がETCの普及を推進する要因の一つに、都市部における渋滞問題がある。北京市では、一般道路だけでなく、高速道路の渋滞も深刻で、日曜日の夕方になると郊外から市内に戻る自動車がひしめき合い「低速」道路へとかわる。

 北京の高速道路は比較的安価なため、利用車両数が多く料金所で渋滞を起こしやすい。普通に並ぶだけでも時間がかかるのに、少しでも先に行こうとする割り込み車両が多く、さらなる渋滞を引き起こす。時には接触事故も発生し全く動かなくなる事態にもなる。

 その打開策の一つがETCというわけだ。実際に、中国では高速道路の利用者が急増する春節や国慶節などの大型連休では完全無料化を実施し、レーンを開放している。支払いのために停車する必要が無いので、料金所での渋滞は大幅に緩和された。