
ここはある介護施設。時間は深夜、午前3時半。
みんなが寝静まった夜に、食堂でおいしそうに麺をすする音が……。
夜中に「おなかがすいた」という入居者さんにラーメンを供した動画が、数カ月前に話題になりました。こちらです。
この投稿により炎上騒動が起き、メディアに取り上げられたり、ネット上で討論会が開催されたりしました。
あなたはどのような感想を持たれたでしょう?
「いいね~。なんておいしそうにラーメンを食べているんだ!」でしょうか。
「介護施設で深夜にラーメン? 一体、何を考えているんだ!」でしょうか。
最初の感想は私のもの。何度も味を確かめるように頷きながらラーメンをおいしそうにすする利用者さんの顔。こちらまで幸せな気持ちになってしまいました。引用ツイートやメンションにも「いいね!」的な感想が多く目立ちます。
一方で、動画とともに添えられている「10日前まで病院でずっとペースト食だった…」という投稿者のコメントから、「何を考えているんだ!」「深夜にリスクが高すぎる」「どんなワガママも聞き入れるのか」といったような感想もみられます。
介護って、誰のために、何を支えるためにあるのだろうか。
それを考えるのに良いキッカケになるのが、この動画だと思います。
「介護」と「治療」の根本的な違い
ここで質問です。
あなたは「介護」と「治療」の違いを、説明できますか?
「介護」は、生活の延長です。誰かのサポートを受けながら寿命を全うする日まで、ずっと続いていきます。
「治療」は医療により病気を治すという目的があり、永続的なものではありません。
これをベースに考えていけば、「介護」で何をすればいいのかが、おのずと見えてくる、と私は考えています。
言い換えると「介護」と「治療」を取り違えることから、介護する側にもされる側にも、いろいろなストレスやトラブルが発生するのではないでしょうか。
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