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  • 親の介護はできる限り家族ですべき。まだ相談しなくても大丈夫だろう
  • 親の説得は家族がすべき。親が納得しないと包括に相談も介護サービスの利用もできないだろう(実際は、包括への相談は本人の許可がなくとも可能です)。
  • 親の許可を得ていない。
  • 親は私の介護を望んでいる。
  • 親が外部のサポートを嫌がるかもしれない。

 “親孝行の呪い”がかかった状態で外部サービスを使おうとすると、上記のような考え方が浮かんでしまい、早期からのサービスの利用に及び腰になるのです。

 結果、家族での介護を始めてしまい、外部の力を借りるのが遅れ、気がついたときには介護離職を考えるようになってしまう。

 具体的に何年後にそのタイミングがやってくるのかについても、調べてみました。

仕事と介護の両立は約2年で限界が

 800人の介護離職経験者に対して「介護を始めて何年未満で介護離職をしたか」との質問をしたところ、46.8%が「介護が始まってから2年未満に“介護離職”をしている」ことが分かりました。

 ひとつの目安ですが「2年」が限界が訪れるラインと考えることができそうです。

 逆に言えば、介護が始まってから2年以内に外部の力を借りて、安心して任せることができる介護体制を構築することが重要です。介護離職リスクの高い時期を乗り越えることができれば、介護離職を防げる可能性が高い、ということです。

 なお、これは「2年間は家族で頑張れ」という意味ではまったくありません。この期間が短ければ短いほど、親は穏やかに介護生活に入ることができ、子は安心して働くことができ、企業は貴重な戦力を損なわずに済むのです

ケアマネジャーには自分の仕事の話もしよう

【白書:P26-6-2-2のグラフより】

 介護経験者の56.1%が、「介護に関する相談先」に「ケアマネジャー」を挙げています。これは兄弟や配偶者などの身内と比べてもダントツに多い数値でした。これはたいへん結構なことだと思います。

 ただし、です。ここにもどうも誤解があるようなのです。

 介護のキーパーソンとなったビジネスパーソンが「介護に関係ないことは話してはいけない」と考えてしまい、ケアマネジャーの仕事の1つでもある“家族支援”が行き届かない事例をたくさん見てきました。

 これはぜひ改めるべきです。どうかビジネスパーソンの皆さんのほうから、自身の生活環境も含めて情報提供をしてください。ケアマネジャーは仕事と介護の両立を応援してくれるはずです。そもそも、そこまでがケアマネジャーのお仕事なのです。

 もちろん、ケアマネジャーにあなたの仕事の細部まで理解してもらう必要はありません。仕事と介護の両立の応援、というのは、「介護に意識を取られず、仕事に向かえる精神状態を維持する」お手伝い、ということです。

 たとえば、こんなケース。