例えば一軒家で、長くその地域に住んでいる方ならば、「洗濯物が干しっぱなしだけど、大丈夫かしら?」など、ご近所さんが外観で変化に気づき、地域で対策を考える機会もあるでしょう。

 コミュニティが希薄な共同住宅に、地縁もない一人暮らしの高齢者が住んでいるケースは少なくありません。地域の人との交流の場でもある町内会に加入していないことも多く、何かに困っていても、孤立したままでSOSが出せない。

 たとえ、地域や行政が「あの人は困っているのでは?」と認識していても、マンションの入り口に設置されているオートロックが、支援する側にとって、訪問して様子をうかがい知ることを困難にしてしまう大きな壁となっています。

 松浦晋也さんも強く訴えられていましたが、支援は、早く行えば行うほど、サポートする側にもされる側にも負担が小さくて済みます。オートロック付きのマンションは、プライバシーを守れる一方で、支援の初動が遅れがちな建物なのです。

他人どうしでも、包括に相談はできる

 では、共同住宅内の「赤の他人」の異常に気づいた際にどうするのがよいか。川内のアドバイスは、以下の通りです。

1.マンションの管理会社に相談

 まず、マンションの管理会社に相談してみましょう。管理会社には、マンションで起きている問題を把握しておいてもらう必要があるからです。

 超高齢化社会となった現代において、管理会社のほうですでに同じような事例に対応している可能性もあるでしょう。また、対応の仕方により、管理会社のスキルや「やる気」を見ることができます。前向きな管理会社(または担当者)であれば、自ら包括に連絡・相談をしてくれます。

2.(管理会社の対応がイマイチだったら)お住まいの地域を担当する“地域包括支援センター”に相談

 どうも動きが悪い、と思ったら、ご自身で相談することも可能です。

 「お住まいの住所(町名まで)<スペース>地域包括支援センター」と、ネットで検索すれば “自分が住んでいる地域を担当する地域包括支援センター”を知ることができます。電話でかまいませんので、連絡してみてください。

 包括に相談するとどうなるか、これは復習ですが改めてご説明しますと……。

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