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 こうして、バタバタした日々の中で始まった私の「父の老人ホーム探し」。

 果たして、父が安心して介護を受けながら暮らすことができる「老人ホーム」に出合うことができるのでしょうか。

 父は現在、生活習慣病など認知症以外の症状は落ち着いており、主治医いわく「身体はすごく調子がいい」状態です。そんな70代の父の介護生活があと何年続くか分からないため、今後の金銭的な面も考え、(公的なものよりも費用が掛かることが多い)有料老人ホームは最初から選択肢には入れませんでした。

 見学に行ったのはすべて公的施設である「特別養護老人ホーム(※2)」です。

※2:特別養護老人ホームとは…基本的には要介護3以上の人を対象に、自宅での介護が困難になった人のための、社会福祉法人などが運営する公的施設。有料老人ホームのような入居金などはなく、費用が安いが、待機者が多いため、入所の際には判定基準が設けられ、それにより入所の順番が決まる(つまり、先着順ではない)。

 見学の際には、以前の川内さんによる「老人ホーム選び」のポイント(こちら)に加え、私が重要視したのは、以下の2つです。

  • 冒頭に述べた理由により、面会に行きやすい場所にあること
  • 父が楽しめるアクティビティが多いこと

 私が見学に行った7つの施設のチェックポイントや印象などを列記してみましょう(離職率など、見学した施設を特定できる詳細情報に関しては割愛します)。

ユニット型と従来型の両方がある「施設A」

施設A

★立地:最寄り駅からバスで20分ぐらい。目の前にバス停がある

★施設のタイプ:ユニット型(※3)と従来型(※4)の両方がある

★1カ月の料金(総額):ユニット型が約14万円、従来型が約11万円

★看取り:胃ろうは家族の許可があれば対応可能で、経管栄養(鼻からチューブで栄養分を注入)などがなければ、できる限り施設で対応

★待機者:ユニット型300人、従来型600人

★アクティビティ:多くはないが、季節のイベントなどがあるようだ(廊下などにそのときの写真などがある)。ボランティアの方による書道の時間などがあった。

★人員配置:日中は1ユニットに1人、夜間は2ユニットに1人、看護師は日中のみ配置し、夜間は電話対応

※3:ユニット型とは…全室個室で、キッチンやリビングなど10人程度をユニットとした共有スペースがある。
※4:従来型とは…個室ではなく、数人で1部屋の居室。(イメージとしては病院の大部屋的なもの)
上記のほかにも、特別養護老人ホームの居室には、パーテーションで区切られた「ユニット型準個室」や共有スペースのない「従来型個室」など、いくつかのタイプがある。

★印象:
  • ユニット型、従来型ともに明るく、清潔感があるが、トイレの臭いが気になった
  • スタッフはみなにこやかにあいさつをする
  • ユニット型の入所者の家族が面会に来て、一緒に食事を取っていた
  • ユニット型の入居者は比較的元気な印象
  • 70代の入居者は1人しかおらず、入居者の平均年齢は88歳ぐらい
  • 女性の入居者が7:3ぐらいで多い
  • 現在、父が通院している病院が協力医療機関になっている
  • 従来型が他の施設よりも費用が安いため、待機者が多い
【川内からひとこと】

 ユニット型から従来型への移動はありえるかが大切かと思います。重度介護が行いやすいのは、見守り頻度が増えるため、従来型かと考えております。

 経管栄養にするかどうかの話し合いの場に施設の相談員やケアマネが同席するケースはこれまでにあったか<このあたりに関わりを持とうとするかどうかが、看取りに対する「本気度」が見えるところ。