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「今は大丈夫、でも将来は……」そんな時も包括に相談を

 その意味でも、親に特段の困難がない状況から、包括の人とコンタクトを取っておくのはおすすめです。真面目に経営をする経営者だな、と思えば、コンサルタントもいい人材を当てる気になるでしょうし、いざというときの対応も適切で早くなるはず。前出のYさんによれば、「前年の夏に挨拶しておいたら、様子を見に行ってくれて、半年後にいざ介護申請となったときに、『この方がいいでしょう』と、ほんとうにぴったりのケアマネさんを紹介してくれた」そうです。

 このように、自分は遠方に住んでいても、親の住まいを担当する包括の職員がやってくれることはいろいろあります。不安な点の聞き取りをしてくれて、必要があれば、職員が上手に親の元を訪問して直接様子を見に行ってくれることもあるわけです。そこで把握した状況に合わせて、親を地域の活動に誘ってくれたり、介護保険を使わない地域の介護サービスの手配をしてくれたりします。

 時には、包括自身が、介護の予防の勉強会をしていたり、公園での健康体操を企画していたりしています。そういった地域でのイベントやクラブ活動の紹介、日々のちょっとした見守りの方法など、本格的に介護が必要になる前の段階から、老化によるさまざまなトラブルを予防するための相談ができるようになっているんですね。

 働く世代の人たちが些細なことでも親の心配事を相談して、包括を通して福祉との接点を持ちその世界のことを知っていくように、包括の職員もビジネスの現場について知らないことがあると思います。

 その両者の溝を埋めるためにも、何かが起きてしまう前に先手でコンタクトしておくことで、包括は介護におけるソリューションを提供してくれる頼れるパートナーとなるのです。

あなたの“介護経営”を支えるコンサルタントとして

 こうして、約1か月~1か月半後にあなたは「ステップ4:介護サービスの利用」に到達します。

 繰り返しになりますが、働きながら介護をする人にこそ、ビジネスで新しいプロジェクトを立ち上げるときのように仕事で培ってきたマネジメント力を発揮して、自らが動き回るのではなく包括を上手に活用して、「ステップ1~4」を進行していただければと思います。

 包括を通してそれぞれの手間を省力化できることはもちろん、「いざ」という時の相談先でもある包括と、ビジネスでいうところの「ネゴシエーション」ができます。さらに安心して任せられるプロとともに介護体制を作ることが、仕事と介護の両立につながります。それが、親と支える家族、双方の安心にも繋がっていくのです。

※実際の介護に入ってからの重要なキーパーソン「ケアマネジャー」に、あなたがどう要望を伝えるか、どういう付き合い方をしていくか、については、稿を改め、別の機会にじっくり話させていただこうと思います。

包括とのファーストコンタクトのお話、議論中です

 「みんなの介護生活奮戦記」の「[議論]「地域包括支援センター」とのファーストコンタクトについて」に、たくさんのコメント、実体験をいただいています。引き続き、ご自身の包括とのファーストコンタクトのお話や、これから相談しようと思っている方の生の声を、お寄せください。みんなで体験を共有して介護戦線を乗り越えましょう。お待ちしております。

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■変更履歴
記事掲載当初の本文中の主治医の意見書に関する部分に、読者の方からのご指摘を受けて追記をいたしました。本文は修正済みです [2019/03/11 13:15]