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 前回(「親にチェックが3つ以上付いたらすぐ『包括』に電話!」)では、「地域包括支援センター」(以下、包括)の主な役割や仕事内容、そして、相談を持ち込むタイミングや具体的な依頼方法について説明させていただきました。「地域包括支援センター=何でも相談できる地元の介護よろず相談所」だということを、ご理解いただけたでしょうか。

 今回は、相談した「その先」はどんな展開になるか、そこで「マネジメント」の思考をどう使うべきなのか、を解説します。

 あなたは「親のことを包括に相談するべきか、まだ早いか?」を客観視できる<不安を解消! チェックシート>で、残念ながら(いえ、幸運にもと言うべきでしょう)これまで目を逸らしていた親の状態を知りました。

 会社のお昼休みに思い切って包括に相談の電話をしたら、「それでしたら、介護サービスを利用しながら、生活された方がいいかもしれませんね」……となったとしましょう。

 この電話は「介護敗戦」から遠ざかるための最初の一歩です。
 具体的に言えば、あなたは、「介護保険」という、親の介護にとってなくてはならないリソースを手に入れるべく動き出したのです。
 自宅にプロが来てくれるホームヘルパーや、車で迎えに来てくれて食事やお風呂を提供してくれるデイサービスなど、便利な介護サービスを1~3割負担で利用するためには、以下のステップがあります。

ステップ 1:「要介護申請」

ステップ 2:「要介護認定」

ステップ 3:「ケアマネジャーを探し、ケアプランを作成してもらう」

ステップ 4:「介護サービスの利用」

 早速、「ステップ1:要介護申請=介護保険の申請」から取り掛かろう! というあなたがまず突き当たるのは、お役所の壁です。

 要介護申請をするには、役所がやっている平日の日中に、申請書類を取りに行き、記入後、また提出しに行かなければなりません。しかも、分からないながらに書いた申請書や添付書類に不備があると、再提出しなければならないこともあります。

 えっ、と思いますよね。繁忙期でなかなか仕事が休めなかったり、親が遠距離に住んでいたりすると、そもそも「ステップ1:要介護申請」から頭を抱え込んでしまった方もいるかもしれません。

 ついでに予め知っておくべきポイントとして、「ステップ1:要介護申請」から「ステップ4:介護サービスの利用」までには、約1か月~1か月半かかります。
(※緊急性が高く、早急に利用したい時は、申請した日から介護サービスの利用が可能です。その場合は通常1~3割負担で利用できる介護サービスを一旦は全額負担し、後から7~9割が返還されます)

 どう思われるでしょうか、もしかすると……。

 「えー、そんなに時間がかかるの!」
 「そんなの働きながらできないよ! だったら、親の現実を知らない方が良かったかも」
 と、逃げ出したくなったかもしれません。