“そもそも”の部分からお話しする。
そもそもなぜ自工会をインタビューすることになったのか。
そもそも自工会って何だっけ?
話は昨年10月末に開催された「Door of Adventure 2022秋」に遡る。
配布されたコマ図を頼りに、オフロードを駆け巡る楽しいラリーイベント。
何人かのバイク仲間と参加していたのだが、そこで久しぶりに日産自動車の広報に勤務する小川正太郎くんに邂逅(かいこう)した。
「あれ、小川くん?」
「や、フェルさんですか?」
「小川くんもバイクやるの?」
「僕はバイク歴結構長いですよ。フェルさんが最近乗り始めたことは、記事を通して知っています」
「すっかりご無沙汰じゃない。最近どうしてるの?」
「今は日産から自工会に出向しています。これは自工会史上初の試みです」
東京モーターショー、だけじゃない
「自工会史上初の試み」。確かに彼はそう言った。
自動車メーカーたる日産の社員が自工会へ出向する。その何が珍しいのか。
“そもそも”自工会は出向者の寄り集まりで成り立っている団体ではなかったのか。
私は思った通りのことを口にした。
「史上初って、自工会は自動車メーカーから出向する人の寄せ集めでしょ? あ、広報部門から行く人間が初めてってこと?」
すると彼は少し色をなしてこう言った。
「とんでもない。自工会はプロパーの人がほとんどです」
「へー。そうなんだ」
何しろ慌ただしいラリーの会場である。このときはこの程度の話で終わっていた。
後日、担当編集飯山氏、AD高橋氏と取材へ行った後のミーティングで自工会の話になった。
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):日産の広報に小川くんっていたじゃない。先日のラリーで彼に会ったら、「自工会に出向している」と話していた。なんでも自動車メーカーから自工会へ出向するのは初めてのことなんだって。俺は出向者で成り立っているのかと思っていた。
AD高橋(以下、高):ですよね。私もそう思っていました。
担当編集飯山(以下、飯):自工会ですか。自動車担当の私としては、カバーしておかなければいけないところですね。
F:ところで自工会って何しているんだっけ……?

高:そりゃ何と言ってもあれですよ。東京モーターショー。今年からジャパンモビリティショーと名称変更するらしいですが。
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