フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):ここでちょっと嫌なことを伺います。

本田技研工業 四輪事業本部 ものづくりセンター 完成車開発統括部 車両開発三部 開発管理課 エキスパートエンジニア 蟻坂篤史さん(以下、蟻):何でしょう。怖いな(苦笑)。
F:FFレイアウトでエンジンを前に追いやる、現在主流であるミニバンの形式を確立したのはホンダじゃないですか。オデッセイで始めて、それを小型化したステップワゴンで一気に市場を広げて一般化して。間違いなくパイオニアと呼べる存在です。
蟻:ありがとうございます。はい。
F:しかし現状は後続の日産自動車のセレナとトヨタ自動車のノア/ヴォクシーにやられ放題やられてしまい、万年4位の座に甘んじている。来週月曜に出る試乗記のタイトル(2022年12月12日公開)は、そのものズバリ「『万年4位』脱却なるか、ホンダ、新型ステップワゴン」です。申し訳ないのですが。
「こんなに良いクルマなのに、何で売れないのだろう」
蟻:ま……万年4位……ですか……。
F:要するに、まねしたクルマにボコボコにやられてしまっている。開発責任者として、それはなぜだと思いますか。どこに原因があると思いますか。忌憚(きたん)のないところを教えてください。無論あっち(トヨタ)は販売店の数が倍以上もあるよね、という事実は十分に理解した上で伺っています。
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