みなさまごきげんよう。
フェルディナント・ヤマグチでございます。
今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。
灼熱(しゃくねつ)のアブダビに来ております。
秋に新潟県のスキー場で開催されたスパルタンレース。60歳以上の部で間違って優勝したら、なんと世界選手権の出場権を獲得してしまった。どんなスポーツでも世界選手権なんてなかなか出られるものじゃありません。なんとしても出場したい。
新担当編集の飯山くん(彼は非常に優秀です。とても気持ちよく原稿を書くことができます)とAD高橋さんに「ほう。この時期にアブダビですか。結構ですねぇ」と温かい言葉で背中を押していただき、エティハド航空で一路砂漠の国へ。F1取材以外の目的で中東に来るのは初めてです。

砂漠のレースは当然砂との戦いです。ともかく砂にズブズブと足が潜ってしまう。
そしてシューズに砂が入る。暑い場所だから通気性に優れたものがよかろうとメッシュ構造のトレイルランニングシューズを持って行ったのが運の尽き。メッシュの穴から細かい砂が容赦なく入ってくる。シューズ内の砂が飽和点に達すると、踏み出すたびに中から砂が噴き出してくるほどです。
何度も脱いで砂を抜いたのですが、砂の深い場所に足首までズボッとハマると、一瞬でもとに戻ってしまう。出国前に慌てて購入したゲーターは1ミリも役に立たない。靴を脱いで手に持ち、はだしで5キロほど走ってみたのですが、足へのダメージが大き過ぎて履き直しました。砂が入るとシューズが鉛のように重くなるのです。これがジワジワと足からスタミナを奪っていく。クルマもランも足元が軽いに越したことはありません。

スパルタンレースはコースの途中にいくつもの障害物があり、それをクリアしていく障害物競走のようなものなのですが、今まで参加してきた日本のレースなら楽勝でクリアできた関門が、簡単に突破できないことにも焦りました。日本の大会よりもはるかに重く、高く、長い。要するに容赦がない。クリアできなければ厳しい罰則が待っている。罰則をくらえば、その分ジワジワと体力を奪われることになる。

途中でコースを間違えて、砂漠の中の特に坂の厳しいパートで3キロも余計に走ってしまいました。いや、今回は本当につらかった。いくら走るのが速くても、ベンチプレスで100キロを上げられても、ダメなものはダメ。キチンと計画的に練習をしなければ、とても海外では通用しない。今回の失態でちょっと心に火が付きました。来年は必ずリベンジします。

それにしても海外の選手は本当に意識が高い。ヘタっていると追い抜く選手がバンバンと背中をたたいて「We can do it!」「ニッポン、サムライ、オハヨゴザイマス」なんて声を掛けてくれる。これは力になります。


ということで本編へとまいりましょう。
ミニバンのパイオニア。ホンダ ステップワゴンの試乗編であります。
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