「エンジン不具合」の関心の高さよ

 試乗記を出稿した翌日に、搭載しているSUBARU(以下、スバル)自慢のリーンバーンエンジンに「不具合発生」と報道されたレガシィ アウトバック。何というバッドタイミング。果たして当該記事をそのまま掲載してよいものか。悲劇の担当編集鈴木陽子氏と協議をしたところ、「別にいいんじゃないですかぁ」の一言で通常掲載と相成った次第である。

 おかげさまと言うかなんと言うか。記事は大いにバズり、掲載当日はもちろんのこと、掲載翌日もランキングトップを独走し、「エンジン不具合」というキーワードに対する世間の関心と、アウトバックの人気を妙な格好で裏付けることとなった。

 具体的にエンジンにどのような不具合が発生したのか。原因は何か。再発は防止できるのか。
 そして生産再開はいつになるのか。詳細が判明した段階でリポートしていこう。

 前回も書いたが、アウトバックは静かでスムーズでその上力強くて、とてもよくできた素晴らしいクルマである。つまらぬことでケチがついてしまうのは、クルマをジックリ味わった身からすると実に忍びない。今回お送りするアウトバックの開発責任者インタビューも、前回の試乗編記事(※)と同様に不具合問題が事件化する前に行われたものである。「ツッコミが足りない」などのコメントはどうかご容赦願いたい。ツッコミはまた別の機会にしますので。

 ※前回記事・スバルのエンジン不具合発生報道の翌週にアレですが…

 以下、アウトバックの開発責任者である村田さんと、開発の番頭役として開発全体の取りまとめを行う小野寺さんのインタビューである。

SUBARU 商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー 村田誠氏(右)、同 商品企画本部 主査 小野寺圭氏(左)
SUBARU 商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー 村田誠氏(右)、同 商品企画本部 主査 小野寺圭氏(左)

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):はじめまして。今日はよろしくお願いします。フェルディナント・ヤマグチと申します。

SUBARU 商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー(PGM) 村田誠氏(以下、村):こちらこそよろしくお願いします。私がPGMという役職で、アウトバックの開発責任者をしている村田と申します。今日はもう1人、私の下で番頭をやっている主査の小野寺を連れてまいりました。小野寺のほうが細かいことまでよく知っているので、フェルさんのツッコミにもお答えできると思いまして(笑)。

F:了解です。それでは遠慮なく突っ込ませていただきます(笑)。

 アウトバックを1週間ジックリと試乗させていただきました。スキーに行き雪道をたっぷり走り込もうと思ったのですが、あいにく前日に大雨が降って雪が全て流されてしまい、スノードライブは実現できませんでした。ドライ路面のロングドライブで得た印象は、「静かでスムーズ」ということです。ともかく静かにスーッと抵抗なく走る。

:そうですよね。

F:特にアクセルオフの状態で走るコースティングのとき。軽い下り坂をアクセルオフで走っていると、前のクルマにどんどん追い付いて、車間距離が詰まってしまうんです。この感覚は今までのスバル車にはないものでした。アクセルオフでも実は結構な量のガソリンを噴射しているのではないか、と疑ってしまうくらいにスーッと走る。

:なるほど。

F:以前F1の車体を手で押したことがあるんです。あれ、軽く押すだけでスーッと進んでいく。究極の転がり抵抗というか。あそこまで極端ではありませんが、アウトバックはその市販車版、といった印象で。

:今の質問にダイレクトにお答えすると、基本的にはアクセルオフの状態で燃料は噴いていません。ではどうして前のクルマに追い付いてしまうのか。転がり抵抗を軽減するために、小さな部品まで1個1個を詰めてきた。そういう部分で感じていただけたのだと思います。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4072文字 / 全文6357文字

【初割・2カ月無料】有料会員の全サービス使い放題…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。