F:最近のプラザ店の展開はすごいですものね。お金が掛かっているのがひと目で分かる。プラザになれなかった販売店の怨嗟の声もすごいですが……。

:プラザ店へ行ってZ900RSを買って……そっちの世界観のほうが自分はいいかな、と言われる方が実際にいらっしゃいますし。

F:ハーレーに乗るよりもカワサキの大きいのに乗ったほうがイケてると思われてしまう。これはハーレーの存在をも揺るがしてしまう重大な危機じゃないですか。

:同じ大きいのに乗るにしても、カワサキに乗ったほうがオシャレだと言う人が実際にいるんですよ。昔は圧倒的にハーレーダビッドソンだったんです。大型に乗ることがイコールでハーレーダビッドソンだった。でも今は違う。他が変わってきて、どんどん差が縮まってきている。だから我々はもう一度、絶対的な憧れの存在になるようなポジションに(ブランドを)持っていかなければならないんです。

F:だからこそ野田さんに声が掛かったのかもしれませんね。これからブランドを再構築するということですか? 今風に横文字でクサく言うと「リブランド」ということになりましょうか。

:私が正規販売店でお話しているのはリブランドではなく「アップデート」です。時代に合わせて自分たちの立ち位置をもう一回リフレッシュしていく。

 まったく違うものにしようとか、今までの過去を否定しようとするものではありません。「ターミネーター」の歴史も「イージー・ライダー」の歴史も全部含める。でもそこで止まるのではなく、今の時代にふさわしい商品を提供し、2022年にふさわしいブランディングをやっていく。刷新していくんです。

 この「刷新していく」という作業が、ここしばらくのハーレーダビッドソンは止まってしまっていたと思うんです。オートバイを訴求するやり方はいろいろあります。排気量がなんぼです、馬力はこれくらいです、加速はどうです……という打ち出し方もある。でも我々はそうじゃない。「ハーレーダビッドソン」というブランドの楽しみ方を出していかないといけません。

クルマもトライアンフもハーレーも、ビジネスの基本は同じ

F:野田さんはハーレーに来る前はトライアンフ(英国のバイクメーカー)の日本法人の社長をやられていた。そこで大きく数字を伸ばされました。それこそマイナーだったトライアンフを輸入バイクの伸び率ナンバーワンのブランドにまで育て上げた。

:ありがとうございます(笑)。

F:どのようにして数字を伸ばしたのでしょう。トライアンフと同じ方法でやれば、ハーレーも再び伸びていくのでしょうか。アメリカンとブリティッシュでは商品が違いすぎるから、また方法も変わるのですか?

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この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

セミナー開催 フェルディナント・ヤマグチ流「部下育成」!

 本コラムの著者、フェルディナント・ヤマグチ氏が「日経ビジネス課長塾オンデマンド」主催のセミナーに登壇します。

 今回、課長塾オンデマンドではあえて、「企業人としてのヤマグチ氏として、登壇してください」とお願いしました。なぜならヤマグチ氏は、「コラムニストとの両立」という多忙な生活を、20年もの長きに渡り成立させてきた人だからです。本セミナーでは、そんなヤマグチ氏ならではの(仕事についての)方法論に迫ります。

 とはいえ講演時間は、わずか1時間。そこで今回は、「部下育成」にテーマを絞って話していただきます。部下やチームのマネジメントにお悩みの方は、ぜひご参加ください!






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