みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。

 今回はレッドブル・レーシング・ホンダF1ドライバー、マックス・フェルスタッペンのF1世界選手権優勝記念特別編として、何かと話題の「帰国後2週間の自宅隔離」についてリポートいたします。

 芳しいホンダの最後っ屁を、胸いっぱいに吸い込むことができたことは誠に幸甚でしたが、その代償は余りにも大きいものでありました。何しろ2週間も身動きがとれないのですから。
 当然前ヨタのネタもございませんで、今回はいきなり本文へと突入いたします。

 ヤス・マリーナ・サーキットでホンダの勝利を瞼に焼き付けて、アラブ首長国連邦から帰国したのは12月15日ですから、本稿執筆時は自宅軟禁生活7日目になるわけですが、早くも飽き飽きモードであります。狭いビジネスホテルでの軟禁生活よりはなんぼかマシではあるものの、それでも外へ出かけられないストレスは非常に大きい。ミャンマーのアウンサンスーチーさんのように、このような暮らしを何十年も続けておられる方が現実にいるのかと思うと、気が遠くなってきます。

 ちくしょう外へ出たい。

 成田国際空港に着陸すると入国審査の前に“関所”があり、ここで各自のスマホに「MySOS」なるアプリをインストールさせられる。このアプリを経由して、1日に何回も(多いときはなんと5回も!)連絡があり、その度に“速やかに”現在地の報告をしなければいけません。

飛行機を降りると地上職員に誘導されて所定の場所に案内される。この椅子の数をご覧ください。混雑するとここまで並ぶようです。列の後ろのほうは当然待ち時間が長くなる。
飛行機を降りると地上職員に誘導されて所定の場所に案内される。この椅子の数をご覧ください。混雑するとここまで並ぶようです。列の後ろのほうは当然待ち時間が長くなる。

 検査を含む諸手続きを経て、空港の外に出られたのは着陸からちょうど2時間後。

 他の人の話を聞くと、これは非常にスムーズに手続きが進んだほうで、着陸する飛行機が集中して、空港が混み合うと5、6時間かかってしまうこともあるらしい。

 私は感染者の少ない中東帰りですから、関所を経て税関を抜ければ自分のクルマをピックアップしてそのまま自宅に戻ることができる。当日は首都高の渋滞も少なく、夕刻にもかかわらず成田から1時間30分程度で自宅に戻ることができた。着陸から3時間30分後には自宅で温かい米の飯にありつけたのです。これはベストのケースではありますまいか。

着陸からでちょうど2時間で自分のクルマに乗ることができました。まずまずスムーズと申せましょう。
着陸からでちょうど2時間で自分のクルマに乗ることができました。まずまずスムーズと申せましょう。

 実はまったく同じ時間、同じ成田空港へ、ハワイから帰国した先輩がいらっしゃる。
 米国からの帰国者は3日間のホテル隔離が義務付けられている。
 その先輩が、着陸からホテルへ送致されるまでの非常に興味深いリポートを記されていたので、以下に転載します。もちろんご本人の許可をいただいています(以下原文ママ、改行のみ編集部が入れました)。

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