当「走りながら考える」の試乗記事は、基本的に三部構成でお届けしている。

 一部が試乗車を数日間お借りして、通勤や旅行に出かけて隅から隅まで味わいつくしてのインプレッション。二部が開発者へのインタビュー。そして三部目が対象のクルマを購入し、実際に乗っておられる方へのユーザーインタビューである。

久方ぶりのユーザー編

 ユーザーインタビューは、友人知人からのご紹介か、あるいは街中で見かけた当該車種に乗っておられる方にイキナリ声をかけるナンパ方式を用いている。異性へのナンパ同様、断られることなどしょっちゅうだし、発売されたばかりのクルマはそもそも街中で見かける機会が少ないから、締め切りに間に合わず諦めてしまうことも多い。

 今回は久しぶりのユーザーインタビューである。
 ご登場いただくのはBMWモトラッドの名車、R 1250 GSを駆る水谷太郎さん。

 水谷さんは「アドベンチャーバイクライフを創造する」を標榜するツアラテックジャパンを経営するバイクの専門家だ。

 たくさんのバイクを乗り継いでこられた、いわばプロ中のプロが、どうしてGSをイチオシするのか。詳しくお話を伺おう。

今回お話を伺ったツアラテックジャパンの水谷さん。お嬢様のあいさんと、水谷さんのフィアンセのYUMIさんもGSに乗るGS一家だ。
今回お話を伺ったツアラテックジャパンの水谷さん。お嬢様のあいさんと、水谷さんのフィアンセのYUMIさんもGSに乗るGS一家だ。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):はじめまして、今日は“寺違い”のバイクで押しかけました(笑)。飛鳥田さんからご紹介をいただいた、フェルディナント・ヤマグチと申します。よろしくお願いします。

水谷太郎さん(以下、水):こちらこそよろしくお願いします。飛鳥田さんから話は聞いています。しかしすごいバイクですね。横がスケルトンになっているんだ。こりゃすごい。

 ここで話に出た“飛鳥田さん”とは、カープロテクションのリーディングカンパニーであるエクセルフィルム代表の飛鳥田秀樹氏である。

 フェル1号(997型ポルシェ 911 タルガ)改造計画の仕上げとして、プロテクションフィルムを施工していただいた記事を当欄で書いたので、ご記憶の方も多いだろう。飛鳥田さんも、やはりGS乗りである。

写真中央が飛鳥田さん。10月にBMWにドカティにハーレーというバラバラのラインナップでツーリングに行ったときの写真。
写真中央が飛鳥田さん。10月にBMWにドカティにハーレーというバラバラのラインナップでツーリングに行ったときの写真。

F:このお店は前から気になっていたんです。ペダルを漕ぐ方のバイクの練習で道志みちに入る際、こちらの前を通るので。立派なバイクがたくさん並んでいますが、こちらはバイク屋さんなのですか。

:バイク屋ではなく、アドベンチャー系バイクのパーツを販売しています。「TOURATECH:ツアラテック」というドイツ製カスタムパーツの輸入総代理店です。

 私はもともとトヨタの生産技術エンジニアです。出身は東京なのですが、トヨタに就職して愛知に行って、むこうで7年間働いていました。独立志向が強かったんですね。トヨタで働く傍ら、休日を利用して副業で防犯装置の輸入販売をやっていました。今もその防犯の会社は続けているので、カーセキュリティについては自信があります。窃盗団の最新の手口も研究していますので、何ならそちらの取材もどうぞ。面白い裏話がたくさんありますよ(笑)。悪い奴らは必死になって車種別のセキュリティの穴を研究していますから、矛と盾は常にイタチごっこの状態です。ツアラテックはその会社の事業部という形を取っています。ツアラテックを扱うようになったのも、実はGSがキッカケでした。

関東GS一家。みなさん本当に楽しそう。
関東GS一家。みなさん本当に楽しそう。

F:GSがキッカケでバイクパーツの輸入販売を。どのような経緯でしょう。

:2014年にカナダで開催された「GSトロフィー」に出場したんですね。

F:GSトロフィーに! 水谷さん、GSトロフィーに出場されたのですか? あれに行きたくて、人生を賭けているような人がたくさんいるとBMWの広報の方から聞きました。本当にレベルの高いガチ勢がたくさんいらっしゃると。

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