「GSは業界のベンチマークです」

:今ではこの大型アドベンチャーは、完全に一つのセグメントとして認知され、多くのメーカーが追従しています。いま平野が言ったドゥカティのムルティストラーダもそうですし、ホンダだったら「アフリカツイン」、ヤマハなら「テネレ」、トライアンフなら「タイガー」と。最近はついにハーレー(ハーレー・ダビッドソン)まで出してきましたね。「パンアメリカ」。それら全てがGSを目指しているのです。GSはもはや業界のベンチマークとも言える存在です。

(写真:BMW Motorrad)
(写真:BMW Motorrad)

 みんながGSを目指している。GSが業界のベンチマーク。
 ここまで言い切る強気の姿勢が頼もしい。インポーターの広報やマーケティング部門はこうでなければいけない。ここはひとつ他のメーカーの意見も聞いてみたいところだ。

F:GSが売れているのは世界的な傾向で、これだけ多くの車種があるBMWのバイクの中で、GSの比率が25%だと伺いました。

:その通りです。そしてそれが日本になると、もっと比率が上がります。日本ではいまBMWの中で3割程度がGSですので。

F:なんと3割も。GSには1250ccの他に、750、850と小さな排気量のモデルもありますが、そちらも含めての話ですか?

:750,850の方はミドルクラスと呼ぶのですが、そちらを含めての話です。ですが正直な話、出ているのはほとんどが1250cc水平対向の大きなモデルです。

F:あのデカいのが一番売れているんだ。結構なお値段がしますよね(最廉価版でも219万2000円から)。そんなのが一番売れているなんて、景気のいい話ですね。

:そこが自動車と大きく違うところです。バイクはやはり趣味として乗るものじゃないですか。趣味だから妥協したくない。どうせなら最高のモデルが欲しい。そんな気持ちになるのだと思います。もちろん価格がバリアーになってしまう部分はあると思います。それでもちょっと無理をしてでも、やっぱり一番いいのが欲しい、と。そんなお気持ちになるのだと思います。

マイトのY:そこは趣味で買う高級一眼レフと似ていますよね。どうせ買うのなら、ちょっとムリをしてでも一番いいモデル。最高級品を買っちゃおうと。全ての機能なんか絶対に使いこなせるわけがないのだけれど、買うならやっぱりフラッグシップ、という。

F:Yさんの家の場合は“奥さんバリアー”が強固だからな。いくら欲しくてもフラッグシップは買えないじゃない(笑)。

マイトのY:う……うるせえ(泣)。

圧倒的王者の一角を切り崩した?

F:しかしそれだけの勢いがあるということは、BMWは日本で一番売れている輸入バイクということですか?

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