コロナ直後に見えた、“本音”の中古車選び

 こんにちは、AD高橋です。

 リクルート自動車総研所長であり、『カーセンサー』『CarsensorEDGE』編集長である西村氏とフェルさんの対談は、『中古車購入実態調査 2020』の調査結果を見ながら行いました。

 プレスリリースを見ると、この調査は2020年8月から9月にかけて一次調査として約20万人を対象にインターネット調査を行い、その中から「直近1年以内に中古車を購入した人」と「直近1年以内に中古車の購入を検討した人」に二次調査を行っています。

 “直近1年”は2019年8月~2020年9月。この期間には、新型コロナウイルス感染症の大流行というとてつもなく大きな変化が起こっています。そのため、調査期間の前半にクルマを買った人と後半に買った人では意識が大きく違うはずです。

 本調査でも、コロナ前後の比較を行っているので紹介します。なおこの調査での“コロナ前”は2019年8月~12月、コロナ後は2020年1月~9月となっています。

出典:『中古車購入実態調査2020』リクルート調べ
出典:『中古車購入実態調査2020』リクルート調べ
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 上のグラフは中古車購入時の車両本体価格+税金や登録諸費用を含んだ“支払総額”をコロナ前後で比較したものです。

 これを見ると、コロナ後に少ない予算でクルマを買った人がぐっと増えていることがわかります。特に中古車購入のほぼ限界値である20万~40万円未満がコロナ前後で2.5ポイントも増えていることに驚きました。そして120万~140万円未満、140万~160万円未満はコロナ後に大きくポイントを下げています。

 コロナ禍に見舞われ、最初の緊急事態宣言が発令された昨年4月。人々は正体のわからないウイルス、そして緊急事態宣言という初めての経験におびえ、街から人が消えました。マスクや消毒用のアルコールはもちろん、トイレットペーパーや食料品などウイルスとは関係がないものまで店頭からなくなり、転売が大問題となりました。

 この時期に中古車販売店に取材をしたところ、不謹慎なので大声では言えないが……という前置きがあった上で「すごく売れている。在庫がなくなる勢いだが仕入れができない」という話をいくつもの店舗で聞きました。

 このデータを見ると、これまでクルマに乗っていなかった人や、家族で1台のクルマを使っていた人が慌てて「何でもいいからとにかく安いものを1人1台買う」という動きがあったことが想像できます。反対に中古車購入のボリュームゾーンである予算150万円前後が減ったのは、これまで多かった「じっくり時間をかけて家族で使うクルマを探す人」が減ったからでしょう。

 『中古車購入実態調査2020』でも、「100万円未満の人気が高まる」「検討から購入までスピーディーになった(前回調査より10.9日間短縮)」と分析しています。

 興味深いのは、支払総額が200万円以上になるとコロナ前後での差がほとんどないこと。今回のパンデミックでは、特に経済面で影響を受けている人は限定的とも言われます。1つのデータで結論づけることは避けますが、高価格帯の中古車を買う人はコロナの影響を受けずにこれまで通りクルマを探しているのだろうと推測します。

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