F:なるほど。そこはゼニカネの問題ではなく、クルマに対する情熱の問題。情熱と言うと言い過ぎか。釣りとかカメラとかゴルフとか、他にも熱を傾ける方向はいろいろありますからね。

西:子育て、教育、住宅、などのライフイベントを経て、一度「利便」という側に、消費を理性的に振った後に、もう一回感覚的な消費に戻れるかというと、それはなかなか難しいというのはあると思うんですよね。今フェルさんが言ったようにクルマの他にも楽しみ方はたくさんありますので。例えば定年まで長い間頑張って支えてくれた奥さんに感謝しているから、だから自分が楽しむスポーツカーを買うのじゃなくて、2人で世界旅行にお金を使った方が楽しいんじゃないかとか。そんなふうな判断をされる方もたくさんいらっしゃるでしょう。

F:で、最後の出社日にたくさんの花束を抱えて帰宅して、奥さんに世界旅行の旅程表を見せたら、そこでバンと離婚届を叩きつけられるという。私の人生相談にそんな投稿がありました。

西:……それはちょっと分かりませんけれど……。

 この対談はリモートで行われている。
 ここで通信容量確保のため自らの顔画像を消していた高橋マンちゃんが怖い顔で突如登場した。

高橋マンちゃん:高橋です。横から失礼します。フェルさん。真面目にやってください。以上。

 こう言い残してまた画像が消えた。

西:真面目な話というとあれです。親の介護問題。子供が巣立つぐらいのタイミングで、今度はご両親の介護をどうするか、という話が出てきます。

F:これは冗談じゃなく非常に大きなテーマですよね。ちょっとした施設に入れたら、月に30万くらい普通に飛んでいく。そうなると趣味のクルマどころじゃない、となる。

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3/14、4/5ウェビナー開催 「中国、技術覇権の行方」(全2回シリーズ)

 米中対立が深刻化する一方で、中国は先端技術の獲得にあくなき執念を燃やしています。日経ビジネスLIVEでは中国のEVと半導体の動向を深掘りするため、2人の専門家を講師に招いたウェビナーシリーズ「中国、技術覇権の行方」(全2回)を開催します。

 3月14日(火)19時からの第1回のテーマは、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」です。知財ランドスケープCEOの山内明氏が登壇し、「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」をテーマに講演いただきます。

 4月5日(水)19時からの第2回のテーマは、「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」です。講師は英調査会社英オムディア(インフォーマインテリジェンス)でシニアコンサルティングディレクターを務める南川明氏です。

 各ウェビナーでは視聴者の皆様からの質問をお受けし、モデレーターも交えて議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。

■開催日:3月14日(火)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「特許分析であぶり出す中国EV勢の脅威」
■講師:知財ランドスケープCEO 山内明氏
■モデレーター:日経ビジネス記者 薬文江

■第2回開催日:4月5日(水)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「深刻化する米中半導体対立、日本企業へのインパクト」
■講師:英オムディア(インフォーマインテリジェンス)、シニアコンサルティングディレクター 南川明氏
■モデレーター:日経ビジネス上海支局長 佐伯真也

■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。視聴希望でまだ有料会員でない方は、会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)

>>詳細・申し込みはリンク先の記事をご覧ください。