フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):今日はよろしくお願いします。

フォルクスワーゲン グループ ジャパン 商品企画課営業本部アシスタントプロダクトマネージャー 山谷 浩之さん(以下、山):こちらこそ、よろしくお願いします。

フォルクスワーゲン グループ ジャパン 商品企画課営業本部アシスタントプロダクトマネージャー 山谷 浩之さん
フォルクスワーゲン グループ ジャパン 商品企画課営業本部アシスタントプロダクトマネージャー 山谷 浩之さん

F:ゴルフVIII、たっぷり乗らせていただきました。とても良いクルマでした。ドイツ本国で発表されたのが2019年。日本での発売はつい先ごろですから、1年半ものタイムラグがある。これはなぜですか。なぜ日本での発売はこんなに遅いんですか?

:新型コロナの影響が大きかったです。コロナ禍が始まったちょうどそのころに日本向けの開発をしていたのですが、日本への導入日程が最終的にまだ見えていない時期に生産調整が入ったので、その分後ろにズレてしまった、という感じです。限られたリソースを既に導入しているマーケットへ振り分けたので、日本向けの開発、生産がその分遅れてしまったのです。やはりドイツとその周辺の国から売り始めますから。これはゴルフVIIのときも同じです。やはり1年ほどのタイムラグがあった。今回はコロナの分、余計に延びてしまった、というわけです。

F:ここでも新型コロナの影響が。なるほど。

:たくさんある日本向けの認証項目は、それぞれ“都度合わせ”でテストしてからの認証取得になります。それからの導入になるので、どうしてもタイムラグが発生してしまうんです。ドイツの近隣の国々は、認証データも同じか近いものなので、そこまで大きくクルマを合わせてテストする必要がないんですね。だから早い時期から出すことができるんです。

F:今回のプラットフォームは前のモデルの際に開発したMQBですね。MQBをキャリーオーバーして利用した。

:はい。基本的にはMQBです。ただMQBも大きく進化していて、最適なものをブロックで積み重ねてきているので、現時点における最新、最適なMQBが搭載されていると思ってください。

F:具体的にどれくらい進化したのですか。例えば部品点数で言うとどれくらいの割合で変わったとか、数値で言うことはできますか?

:数値はないのですが、新型で基本的には全て設計を変えているので、完全に変わっていると思っていただいて大丈夫です。新しいゴルフは、「電動化」「デジタル化」「運転支援システム」、この3つのポイントを中心に強化しています。一番お求めやすいモデルのeTSI Active Basicでも、それらの全てを体感できるように標準装備で提供しています。

再始動のスムーズさは特筆もの

F:電動化、デジタル化、運転支援システムの強化、ですか。それぞれをかみ砕いて言うとどうなりますか。

:まず電動化。これは48ボルト(以下48V)マイルドハイブリッドシステムの採用です。デジタル化はデジタル・メーター・クラスターと通信モジュールの採用。運転支援システムは、「エマージェンシーアシスト」という、何かあったときにクルマが自動で止まるシステムであるとか、210キロまでステアリング、アクセル、ブレーキをクルマが自動で操作してくれる機能であるとか、そういったものが備わっています。

F:48Vのマイルドハイブリッド。現状日本で買えるゴルフは排気量1リットルのモデルも1.5リットルも両方ともマイルドハイブリッドですね。エンジンだけのクルマは輸入されていない。

:今はないです。

F:本国ではもちろん、エンジンだけのクルマも売っているんですよね。

:はい、ごく一部の車種には純粋なICE(インターナル・コンバッション・エンジン、内燃機関)も設定されています。ただ仕様は確かトランスミッションがマニュアル専用(ガソリンエンジン。ディーゼルはDSG搭載)で、最廉価版の車種ですね。あとはスポーツグレードのGTIとかRとか、そういうモデルではもちろん“エンジンのみ”の車両になります。

 とにかく日本には絶対にマイルドハイブリッドを持ってきたかったんです。アイドリングストップからのエンジンの始動は体感していただけましたか? 要はアイドリングストップして、信号が青になったときの出だしがすごくスムーズになっているんです。

F:確かに、信号で停止して再度走り出す際の出だしのスムーズさは素晴らしかった。違和感が全くない。エンジンがどのタイミングで掛かったのか気づかないくらいにスムーズでした。あれは本当にすごい。

:良かったでしょう。昔のアイドリングストップって、止まったエンジンをセルで回していたから、やっぱりワンテンポ遅れてしまうんですよね。それが嫌でアイドリングストップ機能をオフにしてしまう方も結構いらっしゃったりして(笑)。今回は48Vのベルトスタートで一気にエンジンを掛けるので、出だしはほぼEVのような、もう自分がアクセルを踏んだ瞬間にすぐもうエンジンが掛かってすぐ出られるぐらいのイメージです。

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