なかなか話が進みません。

 実は毎回担当編集マイトのYとの打ち合わせでは、「今回で終わらせるから」と話をしているのです。でも書き出すと止まらなくなってしまう。捨ててしまうには余りにも惜しいエピソードが多過ぎる。オイシイ話を残しておいて、後で書籍化して一儲け……というテも有るのですが、ショートケーキのイチゴすらガマン出来ずに最初に食べてしまうこの私が、そんな器用な真似など出来るはずもありません。書きたいことは今書きたい。

 マツダの脱線大将(フェル命名)としてその名も高い、操安エンジニア虫谷泰典氏。

 もはや心境は修行僧。Let It Beで社内の圧力に耐え忍ぶ担当編集マイトのY。
 我々と組んだことを心から後悔するADフジノ。
 そして“面白ければ何でもイイじゃん”が身上の、不逞のヘドニスト不肖フェル。

 トコトンお付き合い頂きましょう。脱線クインテットが織りなす骨太ハーモニー第6章です(前回はこちら)。

トラックのリーフリジッドは、サスの基本です

F:しかし虫谷さんがトラックの操安出身で、そこで得たエッセンスを乗用車に持ち込んだというお話は実に興味深い。確かロードスターの貴島孝雄さんもトラックご出身でしたよね。

マツダ 車両開発本部操安性能開発部 主幹 虫谷泰典さん(編注:試乗前の、会議室での撮影です)

虫谷:そう。貴島さんもトラックです。トラックはクルマの基本ですよ。超基本。

F:超基本ですか(笑)。

虫谷:うん、本当に超基本。リアがしっかりしているでしょう。意味が分からない? ではまず、トラックで使われる「リジッドサスペンション」とは何かというところから考えてみましょう。

 ここで虫谷さんは車内に持ち込んだクルマの玩具を取り出した。お子様が小さい頃に遊んでいたという、シンプルな構造の物だ。当然独立懸架ではなく左右のタイヤが1本の軸で繋がっている。

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