久しぶりの4輪である。

 当欄でクルマの記事をお届けするのは、2月15日のポルシェ・タイカン以来だから、3カ月以上も空けてしまったことになる。

 今回お送りするSUBARUのレヴォーグの試乗は、実は3月に済ませていたのだが、かくも長々とネタを寝かせていたのには、もちろん私なりに“正当”な理由がある。

 レヴォーグがこの5月25日に、国土交通省とNASVA(National Agency for Automotive Safety & Victims' Aid:独立行政法人 自動車事故対策機構)が実施するJNCAP(Japan New Car Assessment Program:日本版自動車の安全性能を比較評価する自動車アセスメント)において「自動車安全性能2020 ファイブスター大賞」を受賞したのである。

 国交省の友人経由で、「レヴォーグ鉄板説」を早い時期から聞き付けていた私は、担当編集マイトのY氏からの矢の催促にも耐え忍び、このタイミングを待っていた。別にバイクにかまけていたわけではない。タイミングを見計らっていたのである。

 JNCAPの試験内容は、技術の進歩に合わせて変更されており、今年からこれまでバラバラに評価していた衝突安全性と予防安全性を統合し、さらには事故自動緊急通報装置も併せて評価するようになった。要するに公的機関が、「総合的に見て、このクルマが一番安全ですよ」とお墨付きを与えてくれたのである。実にめでたい話である。ただ、日本の乗用車を片端からテストしたわけではなく、乗用車6車種、軽自動車4車種の計10車種の中からの選考であるので、NASVAが「日本で一番安全な乗用車」と言い切ってしまうにはいささかのムリがあろう。

 とはいえCOTY(2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー)とJNCAPのダブル受賞である。専門家の方々が見ても、「頑丈で安全でいいクルマ」と判断したのだ。いいクルマであることは間違いあるまい。

はじめに言っておきたいのはエンジンだ

 以下、新型レヴォーグの試乗記である。あ、国交省の友人うんぬんの話は冗談である。ホントは思い切りバイクにかまけていたのだが、たまたまいいタイミングでSUBARUが受賞したので、適当に言ったまでの話である。誠に申しわけございません。

今回試乗したSUBARUレヴォーグSTIスポーツEX。先代で1.6と2.0リットルの2種類から選べたエンジンは1.8リットル水平対向4気筒ターボに一本化された。しかし夏日が続くこの季節に雪の写真を出すと違和感がありますねぇ……。
今回試乗したSUBARUレヴォーグSTIスポーツEX。先代で1.6と2.0リットルの2種類から選べたエンジンは1.8リットル水平対向4気筒ターボに一本化された。しかし夏日が続くこの季節に雪の写真を出すと違和感がありますねぇ……。

 季節外れもいいところなのだが、3月の中旬にレヴォーグでスキーに行った。

 仕事を終えて自宅に飛んで帰り、クルマを乗り換えて荷物を積み込みダッシュで出発する。

 環八を北上し関越道に入る。道は空いている。

 新しいレヴォーグに関してはいろいろと称賛したい部分があるのだが、はじめに言っておきたいのはエンジンだ。上まで滑らかに、実に滑らかに気持ちよく回る。SUBARUの歴代水平対向4気筒エンジンの中で、最もスムースに回るのではないか。料金所を越えてからの加速。関越名物の長い直線。上信越道に入り松井田妙義ICから碓氷軽井沢ICまで続くアップダウンとカーブの連続。そして湯田中から奥志賀までのワインディング。そのすべてのシチュエーションにおいて、滑らかに軽やかに回るのである。例の「ドロドロドロ」という水平対向4気筒の音と振動とは無縁である。あの感覚を愛してやまないスバリストは拍子抜けしてしまうかもしれない。

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