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(前回はこちら

 レジェンドはエンジンと3つのモーターを複雑に組み合わせた、極めて高度なハイブリッドシステムを搭載している。

 3つのモーターとエンジンの出力を単純に足し算すると37×2+48+314=436馬力になるはずだ。しかし表示されている“システム最高出力”なるものは382馬力とされている。54馬力はどこへ消えたのか。まずは前回の最後の部分から。

完成車開発統括部 車両企画管理部 LPL シニアチーフエンジニア、青木 仁さん

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):なるほどねぇ。勉強になります。そうそう。一つ伺いたいのですが、NSXでもプリウスでもそうなのですが、「システム最高出力」ってエンジンの最高出力とモーターの最高出力の合計にならないじゃないですか。100+50が130みたいな。なんで150にならないんでしょう?

完成車開発統括部 車両企画管理部 LPL シニアチーフエンジニア 青木 仁さん(以下、青):ああ、それは簡単です。それはですね……。

 前回はここで「そろそろ出社の時間」と言いわけをして尻切れトンボで終わっている。
 しかし酷い終わり方だなぁ……。申しわけございません。続きにまいりましょう。

:エンジンとモーターの特性の違いです。エンジンにはトルクカーブというものがあって、それに沿ってエンジンの出力が出るのですが、モーターは違う。モーターはいかようにでも調整できちゃうんですね。

F:それじゃエンジンの最高出力が出るところとモーターの最高にオイシイ部分を合わせることもできるんですね。つまり単純な足し算の最高出力を出すことも、レジェンドで言えば436馬力を出すことも原理的には可能なわけですか?

:はい。実はやろうと思えばできるんです。エンジンの一番てっぺんのところと、モーターのてっぺんを合わせてしまえばいいだけですから。でもそれではハイブリッドにする意味がありません。低速が弱くなって、せっかくのモーターの長所を生かせませんから。

(写真:ホンダ)

F:なるほどそうか。エンジンが最も苦手な走り出しの部分、低速ノロノロの部分を、最初からドンとトルクの出るモーターで補うのがハイブリッドのもともとの目的ですものね。それを高い回転数に合わせたら意味がない。

:うんと単純に言うとそういうことです。特にレジェンドのリアの2モーターは、出だしからパッと駆動力を出したいし、路面の状況、ステアの状況、その他様々な要素を取り込んで、瞬時に演算して決めているからなおのことです。

F:とてもよく分かりました。ありがとうございます。しかしレジェンドのハイブリッド制御、4輪の制御というのは本当によくできていますよね。処理しなくてはいけないファクターがあまりにも多いので、演算が大変そうです。よほど頭のいいコンピューターを積んでいるのでしょうね。

大型SUVに積まれてやってきたのは

:その4輪の制御なんですけどね、もともとは……と。これは話しちゃマズイかな(苦笑)。

F:そこまで話したんだから言っちゃいましょうよ。