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:フェルさんの言う通り、Bセグは大変な激戦区です。各社とも思いを込めてクルマを出している。実際にそれぞれ皆さん非常にいいクルマです。でもお客様の中で、やっぱり使いやすさ、コントロールのしやすさ、さらに運転しているときの気持ちよさというのを求められる方は、SWIFTに試乗していただくと、強く関心を持っていただけているようですね。

F:試乗させたらもうこっちのものと(笑)。

:いやまあそうは言いませんけれど(苦笑)。

じゃ、負けているのはどこですか?

F:では反対にライバルに負けている部分はどこですか?

 SWIFTは走りに関して乗って楽しい、運転して楽しいということを追求してこられたと伺いました。そのトレードオフにより、失ってしまったものは何ですか? お客さんから、ここはハッキリとFITより劣っているよねとか、ここはヤリスのほうが優れているよねと言われてしまうところはありますか?

:よくいわれるのがホンダさんのFITとの比較です。やっぱりあのレイアウトでしかできない利便性がありますよね。センタータンクレイアウトで、荷室を大きく使えて、いろいろなものが積み込める。積載性を求めるお客様には、SWIFTはちょっとコンパクトで物足りないと思われるみたいです。

F:そのセンタータンクレイアウトは、今年(2020年)の3月で特許切れになるはずです。スズキもこれからあのレイアウトをじゃんじゃん採用してしまってよくなるのですか。それとも周辺特許までガチガチに固められていて、そう簡単にはマネできないようになっているのでしょうか?

:特許に関してはちょっと分からないですね。じゃんじゃんやっちゃっていいものかどうかも分からないです。クルマのプラットフォーム構想は、どの会社も持っていると思います。もちろんスズキにもあります。1つのプラットフォームで、いろいろな商品を造って、それを長期にわたって、例えば12年間、2モデル間も使い続けています。

 1つのプラットフォームが償却をしたなら、それを長く使って、少しでも安くお客様に商品を提供する。この考え方は、どこの会社も基本的に一緒です。だからどこかの会社の特許が切れたからといって、すぐに今まで造っていたのをやめちゃうというのは、基本的にあり得ませんよね。

F:なるほど。他社のものがいいからと言って、それをすぐさま採用できるほど簡単なことではないと。

:そうです。ましてや今回の新プラットフォームであるHEARTECT(ハーテクト)は、SWIFTとして初めて採用した軽量プラットフォームです。多少の改善を盛り込みながら、次の世代のクルマにも使いたいと思っているものです。

F:それはスズキに限らず、どこの会社でも同じということですね。

:はい。そう思います。

高橋マンちゃん:どこの会社もプラットフォームに関しては10年、長ければ20年単位でやっていますからね。例えばSUBARUのSGPは、初代レガシィが出てから、約30年ぶりに新設計されたプラットフォームです。

F:プラットフォーム開発は、うんとお金もかかりますしね。例えば今回のHEARTECTの開発費って、どれくらいかかっているのですか?

:すみません、開発費に関してはご容赦ください。口が裂けても言えません(笑)。

F:ざっくりでいいんですけど。

スズキ広報:なるほど。こういう感じですか。噂に違わず、です(苦笑)。

マイトのY:大変申しわけございません。後でよく言って聞かせますので。どうもリモートだと普段より調子に乗っているようでして……。

(写真:スズキ)

 トヨタのTNGAとか、フォルクスワーゲンのMQBとか、もちろんスズキのHEARTECTとか、自動車のプラットフォームの名称が一般的に語られるようになったのは、ごく最近のことだろう。

 それだけクルマに対する注目が高まって……はいないなぁ。
 どういうことでしょう。
 ともあれ、小堀さんのインタビューは次号に続きます。
 お楽しみに!