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 今回お届けするのは、スズキが生んだ世界の名車、SWIFT(スイフト)である。

 Bセグメント界の絶対王者として君臨するフォルクスワーゲンのポロと対等に渡り合える、唯一の国産車(あ、ヤリスもいいみたいですね。まだヤリスには乗っていないので、試乗したらこの言い方は変わるかもしれません)ではなかろうか。それほどSWIFTはいい。ものすごくいいのである。

 当代取って4代目となるSWIFTが発売されたのは2017年1月のことだ。
散々「いい」と吹いておきながら、なぜ3年以上も放置していたのか。それには深い理由がある。

 ……わけではなく、ただ単にタイミングを逸していたからだ。誠に申し訳ございません。

 現行のSWIFTは、デビュー時に1.2リットルの直列4気筒と1リットル直列3気筒のターボ(2020年5月の仕様変更でカタログ落ち)、さらにマイルドハイブリッド、17年夏にはストロングハイブリッドが追加、そしてもちろん、1.4リットルターボ搭載、みんな大好きベイビーギャングのSWIFT Sport(通称“スイスポ”)もある。
 単一の車種に、かくも多様なエンジンを用意したところに、SWIFTに対するスズキの並々ならぬ期待と覚悟が感じられる。

 今回試乗したのは、マイルドハイブリッドとSWIFT Sportである。

SWIFTのマイルドハイブリッド仕様車。価格をはるかにしのぐクオリティ。日本屈指の高コスパ車。(写真:スズキ、以下同)

 マイルドハイブリッド。すごく良かった。Bセグとは思えぬ重厚かつ高級感あふれる乗り心地は、さすがSWIFTと唸らせられるものだった。こんなにいいクルマが、200万円以下(試乗したHYBRYD RSは全方位モニター用カメラパッケージ装着、2WD・CVT車で税込み193万2700円)で買えてしまうのだ。200万円で何を買おうか迷っている方。悩む必要はありません。黙ってSWIFTのマイルドハイブリッドを買いましょう。いいです。お買い得です。間違いないです。私が保証します。

SWIFT Sportは3ナンバーに

 で、SWIFT Sportである。マイルドハイブリッドの記述がいささか投げやりになってしまったのは、少しでも早くSWIFT Sportのことを書きたかったからだ。

 あぁ。本当にいい。うっとりする。スズキの良心。日本の至宝。安くて速くて安心ね。のクラシアン的高剛性プラットフォーム“HEARTECT(ハーテクト)”が織りなすお手軽ハイパフォーマンスカーである。

 例によって高橋マンちゃんから受け取ったSWIFT Sportは、ひと目でそれと分かる派手なイエローボディだった(チャンピオンイエローというらしい)。

 「ともかく回っちゃいますからね。軽く踏むだけでポンポン回っちゃいます。本当に気をつけてくださいね」

 キーを渡すマンちゃんの顔が軽く紅潮している。彼もここに来るまでの間に存分にトバしてきたに違いない。

 まずはクルマの周囲をぐるっと見て回ろう。
 全長3890mm、全幅1735mm、全高1500mm。

 ひと回り大きくなったSWIFT Sportは、4代目にしてついに3ナンバー車となった。

 グッと踏ん張ったフォルムが頼もしい。「大きくなった」、というよりも「逞しくなった」と言ったほうが正しいだろう。前モデルのSWIFT Sportよりも、横幅は40mm大きくなっている。横幅の拡大は、そのまま街中の取り回しの悪化につながるが、この程度の拡幅なら問題あるまい。

 そして睨みの利いた目、獰猛に開いた口、躍動感溢れるヒップライン。
 それらがギュッと凝縮されたようなデザインだ。