:ただホンダも規模が大きくなったので。我々もメシを食わないとイカンので。収益はキチンと確保していかなければいけません。面白い、尖った商品ももちろんやらなければいけないのだけれど、それだけではいけません。その上で「ホンダという企業の存在価値はどこにあるのか。普通の自動車会社でいいのか?」ということだと思います。我々はただの自動車会社じゃなく、二輪もやっているし、ライフクリエーションも、HondaJetもやっているので。

F:そうでした。ホンダはバイクも造っているし、発電機も芝刈り機も飛行機まで造っている。利益率で見ると、二輪のほうが四輪より圧倒的にいいですね。レースもまた圧倒的に強い。(マルク・)マルケスは先日(MotoGP第2戦スペインGPで)ハイサイド食らって骨折してしまいましたが……。

:マルケスが出てくれないとイマイチ盛り上がりませんね。二輪のレースはやっぱりライダーの要素が本当に大きいですね。そういえば、最近のフェルさんの記事の最初のページは、何かバイクの話ばかりじゃないですか(笑)。

F:スミマセン。FITの記事なのに前段のヨタはヤマハのバイクの話で終始して……。

マイトのY:しかも読者さんからのコメントも申しわけないことに大半がバイクの話です。正直あんなにバイク好きの方が読んでいるとは思いませんでした。これは本当に意外でした。

クルマとバイク、両方やっているからこその強み

F:そういえばホンダ社内で二輪と四輪の人事交流はあるのですか。二輪に配属されたら、その後のキャリアはずっと二輪になるのですか?

:ほとんどそうですね。ごく稀にありますが、ほんの少しです。というのも、二輪と四輪の行き来は、あまりシナジー効果を見込めないとされてきたからです。

 とはいえ、技術的に全く違うことをやっているわけではないので、ここ数年いろいろ議論する会議体を作って技術交流するようにはしています。例えば、二輪では目新しい技術でも、四輪では10年前からやっていて蓄積があるよ、とか。そんな話がいっぱいあって。安全技術なんかは特にそうですよね。二輪の安全技術が始まったのって、本当に最近なので。これは四輪の知見を入れたほうが間違いなくいいわけで。逆に、エンジンの技術などでは二輪から四輪へのフィードバックが行われることもある。

F:なるほど。それはそうですよね。

:例えば知財、特許なんかも含めてバラバラにやらないで、組織に関係なく、二輪、四輪、ライフクリエーションの持っている技術を横通しで見た方が効率がいい。今は知的財産・標準化統括部というのがあって、その辺を中心に全体を見るようにしています。今まではバラバラにやっていて、ちょっと頭が悪かった(苦笑)。これからはもう少し頭を使ってやっていきます。

F:そういう意味ではホンダの二輪開発は他社と比べて圧倒的に有利ですよね。何しろ四輪の知見があるのだから。二輪と四輪を両方やっているのは世界広しといえどもホンダとスズキと、後はBMWだけですものね。KTMは(四輪の)クロスボウがあるけれど、あれはちょっと特殊過ぎてバイクみたいなものだから。

マイトのY:しかし短期間で二輪まわりにエラく詳しくなりましたねぇ。その集中力を、執筆に生かしてもらいたいものですわ(笑)。

F:な……。

 三部さんのお話はまだまだ続きます。お楽しみに!

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