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謎のキャンペーンはさておき……

 こんにちは、AD高橋です。

 前回のフェルさんが投げかけた謎のキャンペーンに対して、なんですかあの盛り上がりは……。

 フェルさんはますます調子に乗って煽りまくっているし、しかも調子に乗りすぎていろんなことを書きまくっているから、著者なのに運営からコメントを「不適切」と指摘されて削除されるし……。聞いたことないですよ、そんな著者(笑)。

 困ったなあ……と思いつつみなさんのコメントを読んでいたら、“コンパクトカー=小さい”を覆したクルマとして、マツダの初代デミオもあるよというのが目にとまりました。

初代マツダ デミオ(写真:マツダ)

 たしかに! 初代ヴィッツが登場する2年前、1996年にデビューした初代デミオも広大な室内空間を武器にしたモデルでした。車高が高く、コンパクトカーでありながら当時ブームだったステーションワゴン感覚で使えるのでびっくりした記憶があります。ルーフレールが付けられたエクステリアも雰囲気がありましたね。

 もちろん後席はフルフラットが可能。ただ、フルフラットにするためにはリアシートサイドのパーツを外したりしなければならず、それを手間に感じたのを覚えています。

リアシートを前に倒すためには、シート左右のパーツを外す必要がありました。もちろんヘッドレストも外します。(写真:マツダ)

 さて、フェルさんと田中さんのお話の中で、フェルさんは新型フィットを「分かりやすく言うと、ドイツ車からフランス車へ変わったような印象だ」と例えました。なるほど、うまいこと言うなと思いました。本コーナーを読んでくださっているみなさんもいろいろなクルマに乗っている方が多いようなので、この表現で腑に落ちたのではないでしょうか。

 とはいえ「どっちも乗ったことないし、よくわからん……」という人もいらっしゃると思うので、簡単にこの表現の解説をしておこうと思います。ただ、メーカーやモデルによっても乗り味は異なるので、あくまで一般論であることをあらかじめご承知おきください。

フォルクスワーゲン ポロ(写真:フォルクスワーゲン)

 ドイツ車の乗り味には“しっかり感”があり、高速域でもビシッとした走りが味わえます。これはポロのようなコンパクトカーでも同様。背景にはアウトバーンを高速で走ることがあるとも言われたりしますね。

 対するフランス車の乗り味はとても柔らかく、人によってはフワフワしていると感じるかもしれません。これは石畳の道や荒れた農道を心地よく走るためと言われたりしますね。プジョーの乗り味を“ネコ足”と評していたのは有名。1948年に発表されたシトロエン2CVは、生卵が一杯に詰まったカゴを載せて農道を走っても卵が一つも割れないソフトな乗り味を目指して開発されたと言います。

シトロエン2CV(写真:シトロエン)

 たとえば初代シトロエンDSはシートに座ると腰が深く沈み込むほど柔らかく、ボディを軽く揺するだけで車体は大きく左右に揺れましたが、走り出すととても上品な乗り味に驚きます。私は1997年式のシトロエンエグザンティアブレークに乗っていたことがありますが、ハイドロニューマチックサスペンションがもたらす路面を滑っていくような乗り味はとても心地よく、東京から大阪くらいまでならノンストレスで走ることができました。

 ただ、このような“乗り味のお国柄”は、2000年代に入ってから薄れてきたように感じます。グローバル化が進む中で、世界中からの要望、中でも巨大なマーケットである中国や米国の声を無視できないという現実があるのでしょう。実際現行型シトロエンC3はすごくしっかり感がありますし、DSシリーズの剛性感のある走りにも驚かされました。

 クルマの性能が高まり、誰もが安心して走れるのは素晴らしいことです。“味”の部分が薄れることに寂しさを感じるのは、私が年を取ったからかもしれないですね。