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「面接するお店」についての補足

 こんにちは、AD高橋です。

 今回で3回目となったカーセンサー編集長、西村泰宏氏へのインタビュー。

 先週のこのコーナーではアジアの新車と中古車の価格イメージをお伝えしましたが、実は先週のインタビュー(こちら)で他にも触れておきたい内容があったので、今週はそのあたりを解説したいと思います。

 それは「お客を面接するお店があるのか」と「価格応談(ASK)」についてです。

 「お客さんと話すのは、商売のための“商談”ではなくて、この人に売っていいものかどうかを見極める“面接”。そういうお店って、実は結構多いんです。お前なんかには売りたくないと。もちろんモロにそう言うわけではないでしょうが(笑)。こだわってやっている専門店とか、昔のスポーツカーを扱っているようなところは、ほぼ面接と思っていいですね」

 西村編集長はこのように話していましたが、実際に中古車販売店への取材でそれを感じたことは何度もありますし、店主から「お客さんとはまず事務所で話をして、“この人なら大丈夫”と思えた人だけ展示場に連れて行く」という経営方針をうかがったこともあります。

 西村編集長の話は外国人ブローカーの話の流れで出たものでしたが、日本人だろうが外国人だろうが、お客さんには同じように接していると思って間違いありません。

ハコスカのようなクルマを扱うお店はお客さんも“本物”が多いので、素人はかなり入りづらいもの。

 このようなタイプのお店は、業態こそ中古車販売店になりますが、ビンテージの古着やコレクターズアイテムの中古レコードを扱うショップに近い存在です。

 理由は、新車と違って中古車は一点ものだからというのがあるでしょう。クルマ自体は全国に何台もありますが、状態は前オーナーがどんな乗り方をしてどのような整備を施してきたか、さらに保管の仕方でも大きく異なってきます。台数が多いクルマならまだしも、残存台数が少ないモデルは状態のいいもの自体が希少。しかも扱うのも難しい商品だから、きちんと維持して次の世代になるべくいい状態で引き渡してくれる人かを店主も見ている。

 こういうお店は往々にして一見だと入りづらい雰囲気を醸し出しているもの。それでも本当にそのお店が扱うクルマに興味があるなら、勇気を出して飛び込んでみてください。冷やかしを嫌う人も多いので、最初は店主やタムロしているお客さんとの間に壁を感じるかもしれません。

 私も取材でお店にお邪魔して、最初はきちんと話をしてもらえなかったという経験が何度もあります。それでも重ねて話をするうちに、お店もこちらの気持ちをわかってくれるはずです。

国産車でもハコスカやコスモスポーツのようなモデルだけでなく、流通台数が激減している80年代のモデルにも「価格応談(ASK)」が出始めています(写真は2代目ホンダプレリュード)。

 そしてもう1つの「価格応談(ASK)」についてです。

 先週の記事ではお店に電話をかけてくる海外ブローカー対策と説明しました。実はこれ以外にもいろいろな理由があるといわれています。

 外国人ブローカー以外に、日本のショップからの業販問い合わせを避けるというのもあります。

 ビンテージモデルでは、中古車の車両本体価格は決めているものの、納車までにどこまで整備するかで支払総額が変わってくるケースもあります。この場合、車両本体価格だけ見てお客さんがお店にやってくると「なんでこんなに高くなるんだ!」とトラブルになる可能性もゼロではありません。そこで広告掲載時はあえてASKとしておき、問い合わせが入ったときに整備などを含めて詳しく説明するのです。

空冷ポルシェも、価格応談となるケースが多い代表モデル。

 これと似たようなケースで、めちゃめちゃ状態のいいビンテージカーや、お店が徹底的に整備を終えたクルマにASKと表示することも。こういうクルマは相場よりも高くなるので、問い合わせが入ったときに価格とそのクルマの状態などを詳しく説明するのです。

 問い合わせる側からすると、「価格応談のクルマって、人を見て値段を変えているんじゃないの?」というのが一番の心配だと思いますが、今の時代、それはまずないようです。SNSが普及した社会では、そんなことをしたらすぐに噂が立ちますからね。

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記事掲載当初、本文中で「儲けるる」としていましたのは「儲ける」の誤りです。また、最初の写真のキャプションで「浜松にある」としておりましたのは「静岡県磐田市」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです [2020/07/10 14:30]