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西:私は別にどちらが尊いとか美しいとか言うつもりはありません。ど真ん中には、単純に金儲けのためには海外に流した方が効率がいいよね、という人が大勢いるのが現実です。いいとか悪いとかいう話ではなく、ご商売のモデルとして、そういう人たちが一定数いらっしゃる。そしてその人たちが、積極的に“あるタイミング”で、例えば今回のコロナのような大きな転換点でワッと買い漁る。そういう事実があります。それを嫌う人もいれば、利用して高く売って儲ける人もいる、ということなんです。それぞれのご商売のスタイルだと思うんですけれど。

F:なるほど。面白い。いや実に興味深い。

西:あの……こんな話でいいんでしょうか……。ちょっとカーセンサーからはズレてきてしまったような。

F:いやいや、こういうお話こそ伺いたいです。面白ければ何でもいいです。

マン:あー。フェルさんは高ければ誰にでも売っちゃうタイプだわ(笑)。

F:な……僕は文化遺産の国外流出を憂えているんですよ。

西:傾向としては、同じ屋号で3店舗以内のお店。そんなに営利を求めないでやっているところが多いかもしれないですね。もともとクルマが好きでやっているようなお店がそんなイメージです。自分が好きなモデルだけを扱いたいとか。

F:なるほど。大きく多店舗展開をしていない会社。

西:もちろん儲けたいけれども、あまり商売が上手ではなくて多店舗展開していない会社も多いですよ。4店舗、5店舗以上で法人化して、組織立ってエリアリーダーを立てるような、いわゆるビジネス然とした会社は、どうやって利益率の高いものをキチンと数多く売っていくかをシビアに見ています。仕入れの観点からも売値の観点からも厳しくチェックして、台数当たりの粗利をキッチリ管理する。やっぱり規模が大きくなっていくと、そういうマネジメントにどんどんなっていきますね。どこも。

F:でもそれ、普通の仕事なら全く当たり前のことですよね。なるたけ安く仕入れて、極力高く販売して、固定費も可能な限り抑えて利益を最大化させる。中古車業界だけがクルマで儲けるのは悪だみたいに思われるのはたまらないですよね。ちなみに中古車ビジネスって、今でも上手にやれば、いわゆるオイシイ商売なんですか。昔は50万で叩き買って、ピカピカにお化粧だけして翌日に100万で売っちゃうようなことがまかり通っていたわけじゃないですか。

西:今はそこまでの粗利は乗らないと思います。一番難しいのは仕入れです。今が正にターニングポイントで、適切な仕入れルートを持っていれば、恐らくそれなりに利益は出るのだと思いますが。

F:要するにオークションに行って展示場にクルマ並べて売っていても、それほど儲からないということですか。

西:はい。それだけではもう儲かりませんね。オークションで買ってくるタイプの中古屋さんが儲けるには、そこに付加価値を付けて、ある程度高い値段で売れるという仕組みを作らなければなりません。それができているところは、比較的儲けられていると思います。

F:オークションで落としてきたクルマに付加価値ですか。それはどういう……。

西:それはですね……。

 と、いいところですが以下次号。そろそろ会社に行かなくちゃ。
 そうそう。今回の取材がご縁でカーセンサーに連載することになりました。
 私に書かせるなんて、リクルートも度胸あるよなぁ。どうなっても知りまへんでワシは(笑)。