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:このフィルムはセルフヒーリング(自己修復)機能が備わっています。フィルムの表面に浅いキズが付いても、フィルムの温度が上昇する際に自己修復してサッと消えてしまうんです。

F:ははははは。まさかそんな。夜店の手品じゃあるまいし(笑)。

:む。笑いましたね(割とマジでムッとされた顔で)。それじゃ実験して証拠をお見せしましょう。これがプロテクションフィルムです。キズを目立ちやすくするために、黒い板に貼り付けてあります。この表面をワイヤブラシでサッと擦ってみますよ。

F:わ、わ。マジすか……。

ワイヤブラシで表面をキズ付ける。ムチャするなぁ……。
あーら不思議。ドライヤーで熱をかけると、スーッとキズが消えていく。30秒もすれば、すっかり元通りだ。

:これこの通り。キレイに消えてしまうでしょう。フェルさんのクルマにも、まったく同じフィルムが施工してあります。試してみますか?

F:か、勘弁してください……。

:冗談はさておき。飛び石には効果てきめんです。アメリカには「ノーズブラ」ってあるでしょう。フロント部分に付ける黒いカバー。

F:ありますあります。昔は西海岸で、ファッションアイテムとして流行っていました。

:あれも本来の目的は飛び石保護や、虫が当たるのを防ぐものですよね。だからアメリカでは、PPFをクリア・ノーズ・ブラと呼んだりもします。フロントが飛び石キズだらけだと、下取り価格にも影響しますからね。

F:や、そうか。下取り価格。

:特にスーパーカーは、距離とキズが下取り価格に大きく響きますから。

ナマのボディなんか怖くて乗れない

F:分かります。キズナシはもちろんのこと、フェラーリなんか年間1000キロ以上乗っちゃダメとか言いますよね。

:それはかなり極端な話ですが、法人で所有されている場合、会計上の償却の問題で、2、3年でどんどん買い替える方も多いので。そうした方は「もうナマのボディなんか怖くて乗れない」とまでおっしゃいます。PPFを施工することが、そこまで当たり前になっているんです。

F:うーむ。リセールバリューを考えると、結局はそっちのほうがお得だと。

:一概には言えませんが、そう考えるお客様が多いです。あとは所有期間中のストレス軽減です。ピリピリしながら乗るのなんてイヤじゃないですか。

F:確かに、確かに。キズが付かないかとピリピリしながら乗るのなんてイヤです。それにしても、先程の実験には驚きました。あれなら本当に洗車機に入れても大丈夫ですね。

:それでなくても、最近の洗車機は本当によくできていますよ。別にPPFを貼っていなくても、普通に使って大丈夫です。ディーラーさんに入っている装置なんかすごいですよ。私、あるディーラーさんで生身のまま洗車機に入れてもらったことがあるんですよ(注:本当にこうおっしゃっていましたが、絶対マネしないでください!)。スポンジなのでぜんぜん痛くない。一度取材に行かれるといいですよ。PPFはブラシよりもむしろ高圧洗浄機のほうが怖いです。フィルムとボディの間に水が入り込むと、剥がれの原因になってしまいますから。

F:や、なるほど。

:先程厚さが150ミクロンと言いましたが、実は厚さが120、150、200ミクロンと3種類ありまして、フロント部分には200ミクロン。内装には120ミクロンと場所により使い分けています。

F:内装にも貼るんですか?

:最近ピアノブラックの内装とか増えているでしょう。あれは傷付きやすいんです。爪とかで。アメリカでは既にやっているのですが、ウチではまだ実績がありません。データはそろっているので、カットして貼るだけなのですが、貼るときに液体を使うでしょう。革のシートを濡らしてしまうと大変なので。アメリカはそういうところが割と大ざっぱなので(笑)。

F:いや、今回は本当に勉強になりました。ありがとうございました。
 仕上がりが楽しみです。

:こちらこそ遠いところまでお越しいただきありがとうございました。
楽しみにしていてください。ピカピカに仕上げてお戻ししますので。

 PPF、本当にキレイになります。しかも洗車機にブチ込める。こんないい話はありません。
 クルマが仕上がったら、またリポートしましょう。
 来週は昨今の中古車市場についてリポートします。