:1号2号の号に口で「号口」と言います。今造っているクルマのこと、現行の量産車をこう呼んでいます。

F:ははぁ。号口と書いてゴウコウ。知らなかった。初めて聞きました。合コンじゃないのね(笑)。

マイトのY:あー。言うと思った……。

高橋マンちゃん:これほど予想通りの反応もないですね(笑)。

:なんとなく私も読めてきました(笑)。それでですね。そのグラフで、今使っている部品がここですと。欧州メークがこういう機能も付いてここにプロットできますと。そこから線を書いて、次の部品はここに来ますと。だけどこの線上じゃなくて、この線から10%下げますと。かくしてウチがこの機能でこの内容で世界最安値ですと。こういうロジックです。

F:いいじゃないですか。さすがトヨタ。

:ですので、次のクルマに付ける新しい部品は、絶対値としては高くなるんですよ。

同じ値段でやるのがダイハツ流

F:なるほど。元が100円で、次の部品は機能が倍になっていますと。でも価格は150円に抑えました。本来なら200円になるところをたったの150円です。どうです。お得でしょう? 世界一でしょう、と。

:そうですそうです。だから僕がダイハツに来て、設計の人と話していると、「トヨタが世界一安い部品を全部集めてくると、世界一高いクルマができる」という話になっちゃう(笑)。

F:面白い。これは最高に面白い。

:ダイハツは同じグラフを作っても、もともとの発想が違うので、今の量産の部品からの延長線でグラフを書くんですよ。もちろん次も商品力を上げなきゃいけない。でも少なくともこの今作っている部品とは、絶対に同じ値段でやりますよ、というのが考え方のベースなんですよ。

F:もともと100円のものは、次も100円でやるよ。でも機能は上げるよ、ということですね。

:はい。

F:100円が105円になったら、たとえ機能が付加されていても、高いじゃないかとなっちゃう。

:そうです。だって105円の品物を全部組み合わせていったら、確かにそれぞれの部品の商品価値を考えれば、部品単体としては世界一安いかもしれないけれども、それが全部合わさったらどうなります。

F:クルマの部品点数は実に2万点……。

:そう。それを組み合わせていったら、世界一安い部品でできた、世界一高いクルマの出来上がりです。

ロッキーはダイハツの新型プラットフォームを採用した2つ目のクルマだ。(写真:ダイハツ)
ロッキーはダイハツの新型プラットフォームを採用した2つ目のクルマだ。(写真:ダイハツ)

 トヨタがダイハツの株式を100%取得し、完全子会社化したのが2016年。今から4年前のことである。もはやトヨタとの関わりが深いというレベルの話ではなく、トヨタの小型車部門としての立ち位置を明確にしている。
 それなのにこの文化の違いはどうだ。発想の違いはどうだ。

 しぶとく力強くしたたかなダイハツイズムに裏打ちされた、小型SUVの覇者ダイハツロッキー。仲保さんへのインタビューは次週に続きます。

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