F:なるほど。それを後から「それじゃその規格をDNGAと呼ぶことにしようや」という感じなのですか。
仲:はい。
F:DNGAと命名される前までは、社内でなんと呼ばれていたのですか?
仲:普通に「新プラットフォーム」と言っていましたね(笑)。特別な名称はありませんでした。刷新したのは14年ぶりのことです。
F:ひゃあ! 14年も同じプラットフォームを!
仲:あ、いや。勘違いしないでください。ちゃんと進化しているんですよ。それぞれの個車がフルモデルチェンジをするときには、既存のプラットフォームをいじって改良はずっとやってきているので。
え、仲保さんはあちらから来たんですか?!
F:なるほど。ここでちょっと仲保さんの経歴を教えてください。仲保さんは何畑を歩まれていらしたのですか?
仲:実は私、トヨタから来たんです。3年前にダイハツに来たところでして。
一同:えー!
仲:その前は30年間トヨタにおりまして、最後はカムリをやっていました。TNGAの第一弾のクルマですね。
F:あれ? でもTNGAの第一弾はプリウスじゃありませんでしたっけ?
仲:えーとですね……プリウスはまぁ……言っていいことと悪いことがあるんですが……。実際にプラットフォームを全部刷新して、キチンとTNGAとして造ったクルマはカムリが最初なんですよ。プリウスはTNGAの頭出しという立場のクルマです。
F:それじゃプリウスはフルフルのTNGAではなかったということですか。
仲:いや、かなり刷新はしています。けれども全部刷新した、フルTNGAというのは実はカムリが最初です。
F:まあプリウスがTNGA一号車と言ったほうが通りはいいですもんね。プリウスは一種トヨタの名刺みたいなものですから。特に国内では。
高橋マンちゃん:TNGAは「成長する」という言い方をしていますよね。モデルが新しくなるごとに、どんどん良くなっていくという。たぶんDNGAもそうなっていくと思うのですが。
仲:はい。DNGAもそうなります。かなり遠い将来まで見越して一括企画をやっていますので。特に車両の性能を決めるプラットフォーム部分を、うんと幅広く決めてきているので、言い方はよくありませんが、アッパーボディーの載せ替えを、着せ替え的にバンバンやれる余裕があるんですね。つまりはたくさんのクルマを出せる。だからその分、基礎となる部分をしっかり開発していきましょうと。
F:なんかもうすっかりダイハツマンの物言いですね。トヨタからダイハツに移られた当初は、何か違和感を覚えたことはありませんか。同じ自動車会社とはいえ、文化というか雰囲気というか、いろいろ異なる部分も多いと思うのですが。
仲:それはもうすごいありますよ。ご存じかどうか、ダイハツ工業はトヨタよりも歴史が長い自動車会社です。110年を超える歴史があるんです。
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