フェルディナント・ヤマグチ(以下F):DNGAのお話が出てきました。ここで詳しく伺いたいと思います。DNGAのキモは何ですか。キーワードは軽量化ですか。

ダイハツ工業株式会社 技術統括本部 製品企画部 エグゼクティブチーフエンジニア 仲保俊弘さん(以下仲):DNGAは軽を基点にして、同じ設計思想でAセグBセグも造っていきましょうというプラットフォームです。

ダイハツ工業株式会社 技術統括本部 製品企画部 エグゼクティブチーフエンジニア 仲保俊弘さん。
ダイハツ工業株式会社 技術統括本部 製品企画部 エグゼクティブチーフエンジニア 仲保俊弘さん。

F:DNGAの根っこは軽なんですか。それをAやB(セグメント)にも発展させていくという理解で正しいでしょうか。

:はい。根っこは軽自動車です。ですが発展というよりも、軽を基点にして、AもBも一括で最初から見据えておきましょうというのがDNGAの考え方です。個別のクルマを開発するのではなく、ベースが軽で、Aセグならこう、Bならこうと、それぞれのクルマで、どういう構想でやるかを決めるんです。いわゆる一括企画というやり方です。

F:一括企画。なるほど。図面のこの部分ですね。へえ、部署名と人の名前まで書いてある。ほらマンさん、写真写真。

:あ、あ。そこの写真は本当に勘弁してください。モザイクをかけてもダメです。DNGAをつかさどる組織がモロに書いてあるので本当にマズい……。

「あーダメダメ。写真はやめて下さい」
「あーダメダメ。写真はやめて下さい」

(今の撮った? ええ撮りました。それじゃここは消去すっか……ボソボソボソ……という会話までオコシの原稿に事細かに書かれていた。律義な業者さんである)

:ともかくですね、このメンバーで基本構想を練るわけです。ここがデザイン。こっちが性能。これは実験屋さんですね。そしてここが設計部署。さらに製品企画、いわゆるブランディングをやるところですね。そして一番上が役員、と。

F:クルマの図面って、こんなことまで書いてあるんですね。面白い。実に面白い。

TNGAとDNGAって似てますよね?

:乗用車だけでなく、商用車も含めて、軽、Aセグ、Bセグを全部並べてやるわけです。もちろんセグメントが変われば寸法も変わってくる。軽なら軽枠に収めなくちゃいけないし、AとBの上級車種ならそれなりの上質な部品を使いましょうね、という話も出てくるわけです。

F:DNGAができる前は、それぞれのクルマをてんでバラバラにやっていたのですか。

:それぞれの個車(こしゃ、個別のクルマ、という意味だろう)に合わせて、開発するマンパワーがそれなりにあったのだと思います。

F:DNGAってTNGAに似ていますよね。ていうか、1文字しか変わらないし。トヨタからの影響はどれくらい受けているのですか?

:影響はあまり受けてないと思いますけどね。

F:ダイハツは今やトヨタの100%子会社じゃないですか。トヨタから、ああせいこうせいと何らかの指示があったと思ってしまうのですが、それは下衆の勘繰りというものでしょうか。

:確かに何かの発表で、上の人が「TNGAに次ぐDNGAである」的な発言をされたこともありました。しかし我々としては、プラットフォームを刷新する際に一括企画で進めるということは、もうずっと前から……DNGAと命名するずっと前から社内で進めてきたことなので。

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