徳:はい。ですから技術の日産のクルマに、最新の技術としてプロパイロット2.0を載せるのであれば、そのクルマは日産何々、であるべきだと考えたわけです。
F:なるほどなるほど。スカイラインの歴史と背景がよく理解できました。
とはいえ、ここしばらくのスカイラインは、正直に申し上げてオジサン車になってしまった印象が強いんですね。日産のクラウンというか、少なくとも若い人が好んで買うクルマではなくなっているように思えます。実際の販売ではどうなんでしょう。
徳:スカイラインに限らず、日本のマーケットでセダンに乗るお客様というと、年齢層はある程度高いところにあるというのは事実です。特にスカイラインでいうと、60代以上のお客様が5割くらいになると思います。
F:60代以上が5割ですか。
徳:昔のスカイラインには本当の走り屋が乗るような、自分でチューンして走るようなイメージがあったと思うのですが、スカイラインは何度かラグジュアリーの方向に振っていたこともあるんですね。V35もV36もそうでしたし。
F:飛ばして走るというよりも、ゆったり走るというような。
徳:そうですね。高級車の方向に、プレミアムな方向に振ったので、それも年齢層が高くなった理由の一つだとは思うんです。今フェルさんがクラウンと言いましたけれども、今の日本であのクラスのセダンとなると、ともかくクラウンってものすごく強い位置にあるんですよ。圧倒的に強いんですよ。
F:おじいさんの代からずっと乗っているなんて家族もいますからね。
徳:ええ、それで実はあのクラスのセダンって、クラウン以外はほとんど輸入車になっているんですよ。日本のマーケットが。
F:なんと!
400Rは購入者の3割が40代以下に
徳:日本の市場であのクラスのセダンのベストテンを見ると、日本の会社ではクラウンだけが孤軍奮闘していて、後はほぼ外国車……輸入車という状況なんですよ。クラウン以外はBMWとかメルセデス・ベンツとかがボンボン入っている状況になってしまっていたんです。実は。
F:うーむ。
徳:でも今回のスカイライン、特に高出力の400Rというグレードを出したら、40代以下の若い方が3割も買ってくださって、お客様の層が変わってきたな、という実感があるんです。
F:400Rで夜中の首都高をグルグル走りましたが、あれはすごいクルマでした。バカッ速なのに見た目が控えめなので、走り屋の人にナメられるシーンが何度かありましたが、存分に楽しめました。
徳:かなりのホットバージョンなのに、頑張って価格も抑えたので、そこも買っていただけている理由なのかなと思っています。400Rは当初予測の3倍も売れているんです。
F:3倍? それはすごい。
徳:ドイツ車とかトヨタさんとか、他社からの乗り換えでスカイラインに移ってきた方も多いんです。
F:嬉しいでしょう。BMWとかメルセデスからの奪取というのは、本当に嬉しいでしょう。
徳:はい。非常に嬉しいですね。

ドイツ車からの乗り換えも多いという日産スカイライン。
徳岡さんのインタビューは次号に続きます。
お楽しみに!
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