:ええ。水野はGT-Rの前にスカイラインをやっていました。僕もそのときはまだチームリーダーで、エンジンルームを担当していたのでよく覚えています。

F:そういや水野さんは、R35のGT-Rから「スカイライン」の名前を外すことにものすごくこだわっていましたよね。「売れなくなった古い演歌歌手が、昔の名前にすがって生きているみたいでダサい」とインタビューでおっしゃっていましたもの(笑)。

:そこまでは分かりませんが(苦笑)。でもそれぐらいの気概で、要はまったく新しい、今までのスカイラインには絶対に引きずられないような新しいクルマを造ろうとしていたことは間違いありませんね。

F:メルセデス製のエンジンを載せたのもそのタイミングですか?

:いえ、それはもっと後です。このV37スカイラインの前期型です。どうしてそうしたかというと、「4気筒がないとダメ!」という国があったからです。中国とか欧州とか。

F:買う側としては、「ベンツのエンジンを積んだスカイライン」というと、何かよさそうというか、お得な感じがするんですが(笑)。

:4気筒がないと商売できない国があるんですよ。ドイツ各社は、フルラインアップで4気筒も6気筒もそろえてリリースしているので、そこにウチだけ4気筒がないのはディスアドバンテージになるんですね。それでメルセデスから4気筒を仕入れてラインアップに加えたんです。

F:日本の舶来信仰のお客を喜ばせるためにやったわけではないと。

:違います。だから今回もスカイラインに4気筒を積むのをやめたわけではないんです。中国向けには4気筒を積んで出しています。日本で出さなくなっただけなんです。

F:なるほど。今の日産顔になっても、海外向けには4気筒を出していると。

ワールドカーから日本仕様に戻ってきた

:日産顔にしたのは日本だけです。「日産顔のスカイライン」は日本でしか見られません。日本以外の国では、インフィニティのQ50で売っているので、顔もインフィニティ顔です。そもそもスカイラインという名前で展開しているのも日本だけです。

広報星野:もともとスカイラインというクルマは日本専売モデルでしたから。V35の時代になって、ようやく海外でも売るようになったんです。インフィニティとして。

:思い切りドメスティックなクルマなんです。もともとは(笑)。

F:だからこそ2世代前のV35でガラッと変えたと。

:その通りです。ワールドカーとしてまったく新しいコンセプトで開発に当たりました。北米なども視野に入れて。

F:そして、V37の前期型は日本でも日産のニオイを消して、日本では扱っていないインフィニティのバッジも付けて売った。

:そうですね。

F:それを今回スカイラインに戻したのはどうしてですか? わざわざ分けなくても、一緒の顔で売った方が安く作れますよね。

:コスト面から見たらそうかもしれません。ですが、プロパイロット2.0という、日産の持つ最新技術を搭載するにあたって、そのクルマが「日産車」という冠が付いていないのはおかしいよね、という話になったんです。我々は今、「技術の日産」としてコミュニケーションしているので。

F:その昔は「販売のトヨタ、技術の日産」なんて言われていましたが、今は自分で技術の日産と言っているんですか(笑)。

広報星野:最近は「ぶっちぎれ 技術の日産」と言っていました。そして「技術の日産が、人生を面白くする。」というのが、今の日産の正式なキャッチフレーズです。

F:へー。

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