このインタビューが行われたのは2019年12月の初旬である。
 日産経営陣のトロイカ体制が発表され、我々も「これでようやく落ち着きましたねぇ」、などと名刺を交換しながら呑気に話していたのである。この頃に、ゴーン氏はスパイ映画さながらの逃走の準備を着々と進めていたことになる。
 繰り返しになるが、クルマにはなんの罪もない。早速新生スカイラインのお話を伺おう。

日産自動車チーフビークルエンジニア、徳岡茂利さん。
日産自動車チーフビークルエンジニア、徳岡茂利さん。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):はじめまして。フェルディナント・ヤマグチと申します。今日はよろしくお願いします。

日産自動車チーフビークルエンジニア、徳岡茂利さん(以下、徳):こちらこそ、よろしくお願いします。

高橋マンちゃん(以下、高):お話の前にちょっとスミマセン。今日は写真を先に撮っちゃいましょう。フェルさん。マスクをかぶって徳岡さんの横に並んでください。

F:……。

日産広報さんは機転が利くというか、太っ腹というか

マイトのY:何してるんですか? ほら早く。徳岡さんには無理を言って時間を作ってもらったんですよ。

F:それがあの……(モジモジ)。

マイトのY:ま、まさかあんた。またマスクを忘れたんじゃ……。

:昨晩Messengerで「マスクを持ってきてくださいね」って確認したじゃないですか! そしたら今朝「了解!」とか軽く返事もしてたじゃないですか!

「マスク」で検索したら履歴が出てきました。
「マスク」で検索したら履歴が出てきました。

F:さ、さーせん……。

マイトのY:さーせんじゃないですよこのボケナス! どうするつもりですか!

 滑り出しからひと悶着。敏腕広報星野景子さんが機転を利かせてくださり、即席の手製フェルマスクでインタビュー続行と相成った。

誠に申しわけございません。またやってしまいました。
誠に申しわけございません。またやってしまいました。

F:今回のスカイライン。見た目が大きく変わりましたが、フルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジ、ビッグマイナーという理解で正しいですか?

:はい。正しいです。一番の変更点はもちろん今回COTY(日本カー・オブ・ザ・イヤー)でイノベーション部門賞をいただく大きな理由となった、プロパイロット2.0を搭載したことです。そして車両の顔の部分にGT-RのようなVモーションのグリルを採用して、リアも丸目4灯というスカイラインの従来のイメージを踏襲するような形にして、「インフィニティ顔」から「日産顔」にしたことです。

(写真:日産)
(写真:日産)

F:インフィニティ顔にしたのはいつの頃からですか?

:インフィニティのエンブレムは北米への展開が始まった2世代前の、V35から付いていますが、日本でインフィニティのエンブレムがついたのは現行型であるV37の前期型からです。V35のときは、「今までのスカイラインからまるっきり変えちゃおう」というコンセプトがあったんです。まったく新しいパッケージのプラットフォームにして、(エンジンは)直列6気筒でずっとやってきたのをやめてV6を載せて、今までとはまったく違うクルマにしよう、ということでやったんです。

広報星野:フェルさん、それが水野(和敏)がやったスカイラインです。

F:GT-Rの水野さんが!

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