自動運転ではなく、運転支援

 私の記憶違いなら申しわけない。日産は最初のプロパイロットの時代に「自動運転」という言葉を使っていなかっただろうか。メディア側が拡大解釈して、勝手にそう呼んでいただけだろうか。だが今回の2.0に「自動運転」の文字は一切見られず、代わりに「運転支援」という言葉をクドいほどに繰り返している。

 「世界初」「これが、未来だ」「いつかきっと、は、もうここにある」

 かように勇ましい言葉が並ぶプロパイロット2.0の解説ページ(こちら)をスクロールしていくと、下の方に保険証書の約款のごとく目立たぬ大きさで、注意事項が書かれている。

 少し長くなるが、注意書きの部分を引用してみよう。

 プロパイロット 2.0は自動で運転する装置ではありません。ドライバーは周囲の状況や車両の動作に常に注意し、確実にハンドル、ブレーキ、アクセルを操作し、安全な運転を行う責任があります。また、プロパイロット 2.0は、側方にいる車両に反応しません。合流部、カーブを走行するとき、また大型車両が隣の車線を走行しているときは特に周辺車両に注意し、必要に応じてハンドル操作をしてください。ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフが可能となる運転支援システムです。対面通行路、トンネル内、カーブ路、料金所・合流地点及びその手前などでは、ハンズオフできません。ハンズオフができない区間に入るときにはシステムが事前にドライバーに報知するので、ドライバーはハンドル操作をする必要があります。

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※以上は、プロパイロット 2.0の紹介ページからの引用だ。なぜか細かい差異があるが、ほとんど同一の内容がスカイラインのWebカタログの中にあり、こちらには以下のお断りがプラスされている(なに、見つからない? 最下部の「機能には限界があります。詳しくはこちらをお読みください。」をクリックすると表示される)。

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プロパイロット 2.0をお使いいただくためには、NissanConnectサービスへのご入会(有料)が必要となります。

〈新型スカイライン ハイブリッド車用「プロパイロットプラン」:年間¥22,000(税別)〉詳しくは販売会社にお問い合わせください。

 なるほど。これでは自動運転と宣言することはできまい。

 というか、アレコレ注文が多すぎる。あそこもダメだしここもダメ。横は向くなよ前見ろよ。クルマが警告したらすぐにハンドルを持てるよう構えとけよ。そうそう。プロパイ使うにはカネがかかるからな。年会費をちゃんと払えよ……。

 夢の手放し運転は、高速道路のある一定の区間でしか利用できず、しかも通信費用がかかるのである。

(写真:日産)
(写真:日産)

 では実際に、そのありがたい一定の区間に出かけてみよう。

 ハンズオフ機能を作動させるには、まず目的地をナビにセットしなくてはいけない。
 目的もなくブラっと高速に乗って、それじゃそろそろ手放しに……と思ってもそうはいかないのだ。やむなく適当な目的地を設定する。無論黙って座っていれば、この目的地にクルマが連れて行ってくれるわけではない。ナビを設定したところで、大半は自分で運転しなければならないのだ。

 首都高速3号渋谷線。料金所を抜けてしばらくしてスイッチを押してみる。

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