帰ってきた日産のスカイライン

 久しぶりの日産車である。
 試乗したのは、V37型スカイラインセダン。
 2013年11月にV36型からのフルモデルチェンジを発表。翌14年2月から発売、つい先ごろビッグマイナーが施された日産の看板車である。

ビッグマイナーチェンジが施された後期型スカイラインのリアスタイル。(写真:日産)
ビッグマイナーチェンジが施された後期型スカイラインのリアスタイル。(写真:日産)

 現行型スカイラインがデビューしたときはスカイライン初となる3.5Lハイブリッドと2Lターボをラインナップ。今回のビッグマイナーで2Lターボがなくなり、代わりに3Lターボが登場。さらにスカイライン史上初の400psを超えるエンジン出力を発生する“特別仕様車”の400Rも用意された。

 V37型スカイラインは、14年から6年近くもの間、なぜか “日産臭”を徹底的に排除して、日本では展開していないはずの海外向け高級車ブランド「インフィニティ」のバッジを付けて販売されていた。

ニッサンからインフィニティのバッジに変更されたV37型スカイライン前期型。(写真:日産)
ニッサンからインフィニティのバッジに変更されたV37型スカイライン前期型。(写真:日産)

 今回のビッグマイナーにより、鼻先のバッジがNISSAN印に戻され、4代目以来続いてきたスカイラインの象徴である丸目4灯のリアランプが復活し、日産自慢の運転支援システム「プロパイロット2.0」が搭載された。

4代目スカイライン(C110型)のリアスタイル(写真:日産)
4代目スカイライン(C110型)のリアスタイル(写真:日産)

 試乗したのは3.5Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドモデル。期間は11月の11日から15日までの5日間。17年に代表取締役社長に就任したものの、短命政権に終わった大工顔の西川廣人社長から乱暴にバトンタッチされ、「代表執行役社長兼CEO代行」なる謎のタイトルのトップにより2カ月ほど運営されていた日産自動車から、ようやく新社長の人事が発表されたばかりの時期である。

 広報の方とクルマの打ち合わせをした際も、社内がただならぬ雰囲気で揺れている様子が伝わってきた。ここ数年、社内では“粛清”と呼ばれる人事が横行していたとも聞く。設立80年以上の名門企業がグラグラと揺れている……と、ここまで書いていたら関潤副最高執行責任者(COO)の電撃移籍が報道された。どうなってるんスかマジで……。

 ともあれ、改良に改良を重ね、粛清ならぬ熟成の進んだ当代取って13代目のスカイラインの乗り心地は、グラグラと揺れもせず、しっとりと落ち着き、さすがと唸らされるものだった。

スカイラインのインテリア。(写真:日産)
スカイラインのインテリア。(写真:日産)

 深夜の首都高速環状線。平日の往復40キロ近い一般道の通勤。そして高速で飛ばせる湾岸道路。さまざまなシーンでスカイラインを試してみた。

 スカイラインは特に高速領域の乗り心地がいい。湾岸線から大きな曲率で右に曲がり、さらに左、右とレインボーブリッジに上がっていくカーブ。橋を越えて、オーバースピード気味に入ると少しヒヤッとさせられる右下がりのコーナー。あの手のコースを走ると、このクルマは最高に気持ちがいい。

 土台のしっかりしたクルマに、よく回るエンジンが載せられ、足回りも“それなり”に固められている印象だ。「上質な乗り心地」、と言って差し支えない。酷かったバイワイヤ方式のステアリングも、かなりのレベルまで改善されている。

 一方で同じ首都高でも交通量が増えて速度が40キロ以下になるといささか厳しくなってくる。

 継ぎ目のたびに「ココン」と発生するイヤな突き上げ音が気になる。
 同じクルマで同じ道路を走って、速度が遅くなるだけで、どうしてこれほど印象が変わるのか。一般道に下りると、さらに乗り心地は悪くなる。装着されているタイヤとの相性もあるのだろうが、低速領域になると、とても「上質」とは言えない乗り心地になる。違うタイヤにすれば、ある程度は改善されるのかもしれない。

 さてさて、肝心の「プロパイロット2.0」である。

(写真:日産)
(写真:日産)

次ページ 自動運転ではなく、運転支援