:定期的に交換していただくのが一番です。

F:そこで弊社の製品をどうぞ、というオチですか。こりゃ最高だ(笑)。

:いやまぁそれは……できればボッシュのバッテリーに交換していただければ(苦笑)。冗談はさておき、バッテリーは消耗品です。定期的に交換していただきたいです。これは本当にお伝えしたいところです。我々は常日ごろから販売される方、特にボッシュ カー サービス整備工場のメカニックの方々には「みなさんはクルマのお医者さんと同じなので、ユーザーの方には正しいことを伝えてください」とお願いしています。

 バッテリーテスターで判定できるのは、現在のバッテリーの状態のみですので専門の知識を持った人が、今までの使用状況と現在の状態を総合的に判断して「まだ大丈夫そう」「そろそろ交換のお勧め」などのアドバイスをしてあげてください、と。

F:大切なことなんだろうけど、これはなかなか伝わりにくいですよね。決して安いものではありませんし、目立つものでもありませんから。実際にカネを払って交換する側としては、勧められても、「まだ大丈夫だろう」とどうしても思ってしまう。

:そこはフェルさんの言う通りなんです。お客さんの多くは、「今日じゃなくてもいいよね」、と思われるでしょう。

F:これは整備工場との信頼関係にもよりますよね。かかりつけ医のような関係であれば、勧められれば素直に変えると思うんです。知らない工場だと「必要ない物まで交換して儲けようとしているのではないか……」と勘ぐってしまう。今回私が交換したのも、マニアクススタジアムの山下純一さんという、普段からもう丸投げでお願いしているかかりつけ医に言われたからですし。

:それでも、断られてもいいから、交換時期だと判断したら、整備工場や販売店の方から言っておくということは非常に大切だと思います。

 我々が代理店さん・販売店さん・ボッシュ カーサービスの整備工場さんにトレーニングをする際も、「エンジンを唯一始動できる部品がバッテリーです」、ハイブリッドでも「システムを唯一起動できるのが12Vバッテリーで、駆動用のバッテリーがフル充電でもシステムが起動しなければクルマは動きませんよ」と繰り返しお伝えしています。

 バッテリーがクルマにとってどんなに重要な部品であるかを、まずは販売する方にも理解してもらわないといけないんです。

F:でも多くの人は「冬のボーナスまであと1カ月だから、それまではだましだまし乗っていよう」とか思っちゃうんですよね。まさかこの1カ月でエンコすることもないだろうと。

バッテリーを長持ちさせるコツ

:分かります。ですが例えば3年を交換サイクルと考えると、そこで1カ月先伸ばししたからといって、それほど大きくは変わらないんですよね。36分の1ですから。

F:確かに。3%にも満たない数字です。それと引き換えに受けるリスクと言ったら計り知れない。ケチケチしないで時期が来たらサッサと変えたほうが良いということですね。とはいえ、できるなら1日でも長く使いたい。バッテリーを長持ちさせるコツのようなことはありますか?

:あります。正直な話、バッテリーは乗り方によって寿命が左右される製品です。製品の特性から言うと、鉛バッテリーは放電された状態が一番悪い。一番いい状態は満充電です。リチウムはまた話が違いますが、鉛は満充電が一番いい状態です。長持ちさせたいのであれば、できるだけ満充電に近い状態をキープすればいいんです。

F:なるほど、満充電の状態がベスト。

:ちょっと矛盾するようなことを言いますが、バッテリーって、電圧が高い状態が内部の化学的な点ではツラいんです。

F:あれ? 満充電が一番いい状態なんじゃないんですか?

:性能を発揮する、性能を維持するにはいい状態なんですが、化学的には辛いんです。バッテリーは自分自身が少しでもラクなほうへ、安定した状態になりたい。だから自己放電してしまうんです。自己放電は、バッテリー自身がラクになりたいから、自分で電気を捨てているんだとイメージしてもらえれば。

F:へぇ。

:スポーツをされるフェルさんに分かりやすくするため、バッテリーを運動選手に例えると……選手はトレーニングをしますよね。バッテリーにとって充電はいわばトレーニングなんです。トレーニングは楽じゃないですが、正しく行えばいい成績が出せるようになる。バッテリーで言えば、適切な充電をして電圧をキープしていれば性能を維持できる。

 逆にトレーニングせずにラクをしてサボっていると、徐々に成績も悪くなってしまう。これはバッテリーの場合には放電です。

F:なるほど、分かりやすい。

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