みなさまごきげんよう。
フェルディナント・ヤマグチでございます。
今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。
と、その前にちょっと宣伝を。
先週号でマイトのY氏がお知らせした通り、10月2日(水)にホンダF1のパワーユニット(PU)開発責任者である浅木泰昭さん、おなじみホンダ F1マネージングディレクターの山本雅史さんをお招きして、ビジネスセミナー「ホンダF1エンジン開発陣に学ぶ 『折れないチーム』のつくり方」を開催します。
「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」特別企画
ホンダF1エンジン開発陣に学ぶ
「折れないチーム」のつくり方
ご愛読の皆様、お待たせいたしました。日経ビジネス電子版がお送りするフェルさんの読者イベント特別企画、ようやく公開の運びとなりました。
昨年来、ホンダF1の現場に密着してきたフェルさんが連載でご紹介してきたチームの苦闘と栄光、そのキーマンである、ホンダ F1マネージングディレクター 山本雅史氏と、ホンダ F1 HRD Sakuraセンター長 / ホンダF1 PU 開発責任者 浅木泰昭氏のお二人をゲストにお迎えし、講演、トーク、質疑応答を通して、逆風に折れず勝利を達成する「折れないチーム」の作り方、マネジメントの体験談をたっぷり語っていただきます。
誰に対しても遠慮しないフェル氏のインタビューが、ホンダのお二人からどんな話を引き出すか。アシスタントで同席する私、編集Yもハラハラしております、が、当日は撮影・録音不可です。同席していただく読者の皆様と「ここだけの話」を存分に学び、楽しみましょう。ご参加をお待ちしております。(編集Y)
開催日:2019年10月2日(水曜日)
時間:13:30~17:30 ※開場13:00予定
場所:東京・大崎ブライトコアホール
●参加のお申し込みとセミナーの詳細はこちら
こちらからの質問に対して、お立場を顧みず常に期待以上のお答えをスパスパと気持ちよく返してくださるお2人のこと、どんな展開になるのか予想も付きません。
台本なんてあってないようなものですしね。録音録画絶対不可の解放区で、ホンダ広報慄然の危険極まりないダイナマイト講演会。ご期待ください。
ご自身のお仕事に行き詰まりを感じておられる方、壁を突破されたい方。
2015年のF1復帰以来、「やっぱり勝てない」と言われ続けて艱難辛苦、ついに勝利をもぎ取ったホンダF1エンジン開発陣から、折れないチームをどうやって構築するのか、学ぶチャンスです。
ぜひお越しください!
スイスはローザンヌで開催されたITU世界トライアスロン選手権を終え、今週は遅めの夏休みをいただいております。
ローザンヌからミラノまで鉄道で移動してオリンピアン宮澤崇史選手と合流し、こちらで一緒に食い倒れ旅行をしようという算段です。
ヨーロッパの鉄道はいいですね。新幹線のような速さはありませんが、なんとも言えぬ風情がある。「旅情」という言葉がピッタリです。
現役時代にはイタリアをベースに活動する時期が長かった宮澤選手。イタリア語は当地の女性を簡単に口説き落とせるほど堪能であるうえに、食とワインに関する造詣も深い。これほど頼りになる旅の相棒もおりますまい。
ブラっと立ち寄ったエノテカでスプマンテを飲んでいたら、店の親父さんが「近くの山でポルチーニを採ってきたんだけど食べるかい?」と。
5分前に採ったばかりという新鮮なポルチーニ茸。軽く炙って塩を振って……と思ったら、「そんなのもったいない!」笑われてしまいました。採れたては生食に限るのだそうです。
塩と黒コショウをパラッと振って、オリーブオイルをひと垂らし。これだけで極上のアテができてしまいます。野趣あふれる生ポルチーニのスライス。ああ天国の美味。
宿泊先はAirbnb(エアビーアンドビー)で予約したブドウ畑の真ん中にポツンと建つ一軒家。一見するとカントリースタイルの作りですが、地階には温水プールがあり、キッチンやバスルームは最新の設備が整っています。開け放した窓から眺めるブドウ畑は絵画のように美しく、日の当たり具合により刻々と色を変え、何時間見ていても飽きないのでありました。
こんな素晴らしい家が格安で借りられてしまうのですから、エアビーってすごいです。
この家の裏に住むオーナーさんは、トリュフ加工工場を持つ会社を経営していて、広大なトリュフ狩り場の権利も保有されています。宮澤選手とは旧知で、鍵を受け取りに行ったら「明日はトリュフ狩りに行くけど、よかったら一緒に行くかい?」と誠にありがたいお誘いをいただきました。憧れのトリュフ狩り! ぜひとも!
最近のトリュフ狩りは豚ではなく特別に訓練された犬を使います。案内してくださったトリュフハンター氏はこの道40年の大ベテラン。「長年やっていれば、犬がいなくたって地面の色と土の匂いで分かるんだけどね」と笑っていました。
ここ掘れわんわんと犬が見つけて掘り出すと、口に手を突っ込んでいささか強引に奪い取ります。ブタちゃんは意地汚く食べてしまうので、歩留まりが悪くなるのだそうです。
こちらが掘り当てたトリュフ。掘り出した直後は本当に強烈な香りがします。
この大量のトリュフを見よ。麻薬じゃありませんが、末端価格はいったいいくらになるのでしょう。
狩りを終えて加工工場に行くと、そこには大量のトリュフが待っていました。「オイルに加工する前の物だけど、よかったらお分けしますよ」と。値段を聞くと日本で売られている価格の4分の1程度。こりゃひと儲けできるかも……とヨコシマな思いが一瞬脳裏をよぎりましたが、慣れないことをしてもロクなことになりません。トリュフオイルだけ買って帰りました。
バローロで最高にイケているバーを経営する日本人の青年と知り合いになりました。近所の一つ星の店で長くソムリエの修業を積み、満を持してこの地に店をオープンさせたのです。
周囲の景観にしっとり溶け込んだ素敵な店は、地元の人で遅くまで賑わっていました。
最近の若い衆は酒を飲まない旅行に行かないクルマも買わない海外にも出ない……なんて嘆き節をよく耳にしますが、こうして地元に溶け込んで孤軍奮闘している頼もしい若い人だっているのです。彼の名前は佐藤宏紀くん。来年3月に日本に来て「特別興行」を打つそうです。近くなったらこちらでお知らせしましょう。
さてさて、前置きが長くなりましたが、ぼちぼち本編へとまいりましょう。
宮澤崇史選手と別れた後は、モンツァに移動してF1を観戦して来ました。
今回は本場イタリアのサーキットで、レッドブルのジュニアチームであるトロロッソ代表のフランツ・トスト氏にお話を伺うことができました。
オーストリア・トリンス出身のトスト氏は現在63歳。
若い頃からモータースポーツに明け暮れ、インスブルック大学とウィーン大学ではスポーツ科学やスポーツ経営について学んでいる。1983年にはフォーミュラフォード1600でチャンピオンに。その後、レースマネジメントの道へと進んだ人物だ。
F1には2000年から関わるようになり、2006年からトロロッソのチーム代表を務めている。
インタビューはトロロッソ・ホンダのピット裏に止められた、同チームのトレーラーの2階で決勝当日の午前中に行われた。
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):はじめまして。フェルディナント・ヤマグチと申します。レース前のお忙しい中、お時間をいただき恐縮です。
フランツ・トスト氏(以下、T):構いませんよ。なんでも聞いてください。
取材に立ち会ってくれた英国ホンダの鈴木悠介氏(以下、鈴):彼は日本のビジネスメディアに連載を持つ人気コラムニストです。普通のモータージャーナリストと違い、ちょっと変わった質問をする傾向があります。「ここだけの話」をすべて書いてしまう人ですので、気をつけてインタビューに答えてください(笑)。
T:面白い。その方が私も話しやすい(笑)。
F:それでは早速。ホンダと組んで2年目になりますが、ルノー、メルセデス、フェラーリと、たくさんあるパワーユニット(PU)サプライヤーの中から、なぜホンダを選ばれたのですか。
T:ホンダは絶対に、いいエンジンを作り上げる技術を持ち、強い情熱も持つ会社だと我々は知っていました。そんな会社と、ぜひ一緒にやりたいと思っていました。そして我々がホンダのPU搭載を検討し始めたときは、ちょうどホンダと(当時ホンダがPUを提供していたチームの)マクラーレンの関係が、ギクシャクし始めたころでもありました。
F:ホンダの情熱は分かるのですが、トストさんがホンダと組もうと思った時、ホンダは良好な結果を出していませんでした。ホンダがいいと判断した材料は何ですか。マクラーレンと組んでいたときのホンダは、まるきりダメでしたよね。どうやって実力があると判断されたのですか?
「遅かったのは、マクラーレンのせいだよ」
T:あの時期のマシンが遅かったのは、ホンダがダメだったからではありません。マクラーレンがショボかったからです。
F:キター!!
鈴:あの……今のはホンダの意見じゃないですからね。あくまでもトロロッソ側の意見。トストさんの意見ですから。
F:さすがにこれは書いちゃマズいですよねぇ……。
鈴:当たり前じゃないですか。他社さんの批判なんてそんな……。
T:書いていいかって? イエスだ。Big yes! 君は何でも書くコラムニストと聞いたが、そうじゃないのかね。もう一度言おうか。あのころはマクラーレンのシャシーがショボかったから遅かったんだ(笑)。
我々はホンダのエンジンを十分に観察し、分析し、研究して分かっていた。ホンダのエンジンは優れていた。多くのマスコミや他のチームから言われるほど悪くないというのは我々の分析で分かっていた。ホンダのエンジンは十分に実力のあるものだった。一方で2017年の段階で、ホンダには解決すべき課題があることも我々はよく分かっていた。まず信頼性。これが全く足りていなかった。信頼性が劣っていた。
F:そういえばあのころはよく壊れましたね。
T:そう。よく壊れた。私は2018年シーズンの話をするために、2017年の末にホンダと秘密のミーティングを持ったときの会話をよく覚えている。「2018年はホンダにとってタフなシーズンになると思う」と。「なぜならば、あなたたちはたくさんエンジン交換をしなければいけなくなる。だからきっと、難しい、厳しいシーズンになりますよ」と言ったんです。
F:タフでハードなシーズンになると。
T:そう。そうしたらホンダ側はこう答えました。「エンジンをたくさん投入します。我々は開発の手を休めずに続けていきます。続けていく中で、どんどんどんどん改良して、よりよいエンジンを、より強いエンジンを作っていきます」と。こう言ってくれたんです。
一緒に戦いましょう。そして一緒に勝ちましょう、上に行きましょうと。それで我々は合意したんですね。ホンダと一緒に戦うことを合意したんです。辛い2018年を乗り切れば、2019年は勝てるようになる。必ず勝てる。2017年末の時点で、我々はすでにこんな話をしていたのです。そしてその判断が正しかったことは、今シーズンの結果を見れば明らかでしょう。
F:2018年、トロロッソが先にホンダのエンジンを積んで参戦し、その結果を見て2019年シーズンにレッドブルに搭載するかどうかを決める。こういう前提の下に始められたのですか。
T:その通りです。2018年は「開発の年」という位置付けで、2019年のレッドブル、2019年のトロロッソにつなげるための開発計画の一環として始めました。
F:2018年シーズンに結果が出なければどうするおつもりでしたか? ものすごく遅かったり、壊れてばかりだったなら、「やっぱりレッドブルに積むのはやめておこうか」という判断もありましたか?
T:それはないでしょうね。2018年の早い段階で、具体的には2月のバルセロナにおけるテスト走行で、そのパフォーマンスと信頼性を見たときに、これはいけるという感覚を持っていましたから。
ホンダと組む方が気が楽、ビバジャパン!
F:ホンダと組む前、レッドブル、トロロッソ連合はルノーのエンジンを搭載していました。ルノーはヨーロッパの会社ですが、ホンダは日本の会社です。相性と言うのかな、コミュニケーションに関して不安はありませんでしたか。結果的にルノーとは別れてしまいましたが、ルノーとのほうが気がラクでやりやすかったとか、そういうことはありませんか?
T:それは逆ですね。日本人と仕事をしたほうがやりやすい。ホンダと働いたほうが気がラクです。ビバジャパン! ですよ(笑)。イタリア人はフランス人よりも日本人との相性のほうがいいんです(笑)。ルノーの前はフェラーリのエンジンを積んでいたのですが、フェラーリとはいい関係でした。ただ、ルノーとの関係はかなり厳しかった。
F:それは国民性の問題ですか。それともルノーという会社が持つ固有の問題でしょうか?
T:会社固有でしょうね。人の傾向というか。ルノーの人たちはちょっと変わっていましたから(笑)。
F:ウヒャー! いただきました! オイしすぎる(笑)。
鈴:フェルさん。ホンダの意見じゃないですからね。でもいくらなんでもここは……。
T:悠介なぜ止める。好きに書かせるべきだ(笑)。
F:ルノーは日産とのことがあるので、今日本では企業としてあまり評判が良くないんですよ(笑)。
T:評判が良くないのは日本だけではないですね(笑)。
F:トストさん素敵……。
鈴:フェルさん。ちょっとフェルさん。今の部分はやっぱりマズいですよホント。
F:ホンダと一緒にレースをしてきてどうですか。ホンダはレースのことをよく分かっていると思いますか。
T:ホンダはレースのことを分かっています。SakuraとMilton Keynes(ミルトンキーンズ)は非常にいいスタッフが揃っています。ですが足りない部分もある。それはホンダが長い間F1から離れていたことからきています。非常に大きな問題です。
F:途中で何度もやめていますからね。今は俗に言う第4期ですか。
T:F1は1年ごとの進歩がとても大きいレースです。そこから何年も抜けているのは、非常に大きなディスアドバンテージです。さらに今のF1の最先端テクノロジーは、以前ホンダがやっていた時とは何もかも違っています。単なる自然吸気のV8だったのが、今はターボエンジンに、2つのエナジー・リカバリー・システムがあってバッテリーを積むシステムになっています。以前とは全く何もかも異なる技術になっているのです。そして今のF1の技術は、これから5年、10年先の自動車業界にとって、本当に「使える技術」になるのだと思っています。今のF1の技術は、これから先の自動車の主流であるべきシステムです。
F:今のF1技術が、5年10年先の市販車の主流技術になると。特別なスポーツカーではなく?
T:ええ。私はそう思います。なぜか。EVはエネルギーを調達するのが非常に難しいし、実はトータルで見るとエネルギーコストも高いからです。どこからどうやって電気を調達してくるかという問題もある。製造コストから見ても、エレクトリックカーは現実的ではないと考えます。
F:おっしゃっているのは、BEVのことですね。Battery Electric Vehicle。
今のF1技術は量産車につながっていく
T:そうです。現在のF1の技術を5年先、10年先の量産車に適用できれば、コストに優れた、例えば1リッターで100キロ走った上にバッテリーも充電して家に帰って来られるようなクルマが開発できるようになるのです。ハイブリッドでF1に参戦する。それは量産車メーカーのホンダにとって、大変大きなベネフィットがあることだと思います。
F:今のF1の技術が量産車にも転用されていくと。F1と量産車は完全に別物だと思っていました。
T:現段階では完全に別物です。ですが一度うまく移植する方法を見つければ、確実に広がっていくものだと思います。パワーばかりが注目されますが、今のF1の技術は、本当に素晴らしいものなんです。
F:先ほどホンダがしばらくF1から離れていたのが大きなディスアドバンテージの原因であるとおっしゃいましたが、今のホンダは業績面で大儲けという状態ではありません。2020年……来シーズンでF1をやめてしまうのでは……と懸念する記事も出ています。トストさんはたとえホンダの本業が赤字になってしまっても、F1を続けるべきだと思いますか。F1は大変なお金がかかり、業績を圧迫しますが、それでも続けるべきですか。
T:はい。たとえ赤字になったとしても、ホンダはF1を続けるべきです。なぜか。F1で最先端のテクノロジーを競い、強固なブランドイメージを確立することで、他のどんな宣伝やプロモーションよりも意味のあるアピールができるからです。ここで勝つことこそが、世の中に「この会社は最先端の高い技術があるよ」と世の中に示すことなのです。
フェラーリとメルセデスを見てください。彼らがなぜF1をやっていると思いますか。彼らはここで勝つことで、自分たちの技術を世界に証明して見せているのです。だからホンダはF1をやめてはいけない。赤字になったとしても、やめるべきではない。
F:F1に勝って技術を証明。なるほど。
T:「Sunday win. Monday sell.」ということもありますしね(笑)。
F:Sunday win. Monday sell.なるほど(笑)。
トストさんは本田宗一郎氏の本を読んでいた!
T:それともう一つ。創業者の本田宗一郎氏は、「レースはホンダの文化であり、DNAだ」と著書の中でハッキリ言っています。彼は二輪や四輪で常にレースに関わってきた。レースによってホンダを作ってきた人です。レースに関わることこそがホンダのやるべきことだと思います。だから決してF1をやめてはいけない。
F:素晴らしい! トストさんは本田宗一郎氏の本も読まれたのですね。ありがとうございます。って私が礼を言うのもヘンですが。ところでトストさんはなぜレースをやるのですか?
T:こんなにいい仕事は他にないでしょう!
F:日本のファンに何か一言お願いします。今年は鈴鹿(のF1日本グランプリ)のチケットも昨年より30%も多く売れているそうです。
T:我々だけでなく、F1に関わる人すべてが日本に行くことを本当に楽しみにしています。鈴鹿の熱狂的な雰囲気は素晴らしいし、トラックも素晴らしい。鈴鹿サーキットは世界的に高評価を得ています。私はシーズンのハイライトだと思っています。我々は今、非常にいい状態にあります。トロロッソ、レッドブルのドライバーとともにポール・トゥ・ウィンを目指したいと思います。
F:この記事は多くのビジネスマンが読んでいます。日経ビジネス電子版の読者にも一言お願いします。
T:ぜひF1をマーケティングに使ってください。こんなに素晴らしい広告媒体は他にありません。最も効率良くプロモーションでき、お金を有効に使うことができます。こんなに効率的にブランドの認知度を上げられるスポーツはF1の他にありません。そう伝えてください。
F:素晴らしい。ありがとうございました。
20分ほどの短いインタビューでしたが、非常に有意義なお話を伺うことができました。
それにしてもトストさんの口から、本田宗一郎氏の名前が出るとは夢にも思いませんでした。
今の若いホンダの社員の中で、氏の著書を読んでいる人はいったいどれくらいいるのでしょう。
「実像と違う」「美化されすぎ」なんて批判的に言う古い社員の方もおられますが、そこはそれ。読んでアガることは間違いありません。今夜あたり、『俺の考え』を読み返してみましょうか。
それではみなさまごきげんよう。
こんにちは、AD高橋です。
いよいよ10月2日(水)には、ホンダ F1 マネージングディレクターである山本雅史氏と、ホンダ F1 HRD Sakuraセンター長 / ホンダF1 PU 開発責任者である浅木泰昭氏をお招きするセミナー『「折れないチーム」のつくり方』を開催!
私自身はずいぶん前に会社を辞めて以来一匹狼で活動しているため“組織”とは縁遠くなりましたが、案件ごとに様々なチームに参加しているので、このセミナーでヒントをつかみたいなと思っています。
山本氏と浅木氏の話を一度に聞ける機会はそうそうありません。ぜひみなさんも参加してみてください!
さて、今回はF1 イタリアGPでフェルさんがトロロッソ・ホンダの代表、フランツ・トスト氏をインタビュー。それにしてもフェルさんはなんでいつもヒョイヒョイとビッグネームのインタビューを取ってくるのか……。「『折れないチーム』のつくり方」とは別に、ぜひフェルさんにセミナーをやってほしいです。
2012年のトスト氏(写真:Getty Images / Red Bull Content Pool)
実は私、フェルさんの担当をしていながらトロロッソ・ホンダとトスト氏について詳しく知らず……。セミナーの予習も兼ねて少し調べてみました。もし間違っている部分がありましたらご指摘ください。
元々はレーシングドライバーだったトスト氏。90年代にはフォーミュラ・ニッポンに参戦するラルフ・シューマッハのマネジャーとして日本にいらしていたのですね。この時代、私もフォーミュラ・ニッポンの取材で鈴鹿、富士、菅生などに行く機会もあったので、もしかしたらパドックですれ違っていたかもしれません。
そしてトスト氏は2006年にトロロッソの代表に抜擢されます。初年度のエンジンはコスワース製TJ2006を使用しました。
2007年からはエンジンがフェラーリ製Tipo056に。この年は計8ポイントで7位に(ちなみにホンダは6ポイントで8位でした)。
2014年のトスト氏(写真:Getty Images / Red Bull Content Pool)
2014年シーズン、F1はパワーユニットが2.4L V8 NAエンジンから1.6L V6ターボ・ハイブリッドに。この年からトロロッソはルノーのパワーユニットを使用します。この年、トロロッソはコンストラクターズ選手権で7位でした。
しかしルノーとはいろいろゴタゴタがあったようで、2016年シーズンはフェラーリのパワーユニットを使用。
2017年9月15日、ホンダは「McLaren-HondaのF1レース活動について」というリリースを出し、2017年限りでマクラーレンとのパートナーシップを解消すると発表しました。そして同日、「Scuderia Toro Rossoへのパワーユニット供給を決定」と題したプレスリリースを発表。2018年からトロロッソ・ホンダが誕生することになりました。
2019年のマシン、STR14(写真:Guido De Bortoli / Red Bull Content Pool)
2019年、イタリアGP終了時点でトロロッソ・ホンダは51ポイントを獲得しコンストラクターズ6位につけています。
2018年のトスト氏(写真:Samo Vidic/Red Bull Content Pool)
山本雅史氏、浅木泰昭氏、そしてフェルさんによるセミナーが終わったら、いよいよF1も日本グランプリですね。本企画に絡んでいただいた方々の活躍に期待したいです!!
この記事はシリーズ「フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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