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:40万台の発表をしたのは3月です。グローバルではそろそろ45万台も視野に入ってきました。リーフは日産にとって、単に「クルマを売る」という存在ではなくなっているので。リーフは「走る蓄電池」という側面もあるんです。

F:リーフは、走る蓄電池。

:そう。今まで日産自動車は、リーフを自動車として売ろう売ろうとしていました。でもそれだけじゃない。リーフは電気をためることもできるし、ためた電気を運ぶことだってできるんです。今政府や自治体、それから企業などと一緒になって、社会変革を行おうとしています。

F:何かで読みました。ブルー……なんでしたっけ?

ブルー・スイッチをリーフが押す

:「ブルー・スイッチ」です。EVの普及を通じて社会の変革、地域課題の解決に取り組もうという日本電動化アクションです。

F:そういえば東日本大震災の時にはリーフがずいぶん役立ったという話ですね。ガソリンスタンドにガソリンが来なくてみんな困り果てたけど、電気の復旧は意外と早くて、EVは普通に走っていたと。

:そう。あの時タンクローリーが入れなくてガソリンはダメだったけど、電気はもう3日目ぐらいには復活していたんですね。安否確認とかドクターが移動する手段もEVしかなくなっていて。だから被災地からEVを何とかしてくれと言われて、全国から60台くらいかき集めて現地へ送りました。この前の北海道のブラックアウト(2018年9月6日)の時もそうです。Vehicle to Home(V2H)でリーフを自宅のシステムにつないでいたおかげで、朝まで停電に気づかないご家庭があったんです。停電前からリーフの電力を使っていたから。

F:停電に気がつかない。それはすごいな(笑)。停電になると、ガスが来ていても点火できなくて風呂にも入れませんからね。

:そう、それでもしリーフと同等の容量がある蓄電池を買おうと思ったら、1000万円以上しますからね。

F:1000万! そんなにするんですか。

:そうなんです。普段はクルマとして普通に乗っていただく。そしていざというときは蓄電池として電気を供給できる。リーフが自ら走って、被災地に電気を運ぶこともできる。だから「災害に強い街づくり」というのを掲げている自治体がリーフに注目しているんですね。

F:公用車をみんなリーフに替えるとか。

:公用車をいきなり替えるのは難しいので、その土地の販売会社にあるリーフの試乗車をいざというときに使っていただくようにしています。それで避難所に電気を供給するんですね。そういう協定を結んでいます。

広報・星野:練馬、横須賀、伊勢、飛騨、熊本など、既に6つほど協定を結んでいます(編集部注:インタビューを行った8月初旬のSUPER GT Round5以降も東京都羽村市、三重県、滋賀県彦根市との災害連携協定の締結というアナウンスがありました)。

F:貸すだけなんですか。買ってくれないの?