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F:だから安全のために、あえて最新、最先端のものは使わないわけですね。確かECU(エンジン・コントロール・ユニット)に使われる半導体もそうですよね。2世代くらい前の、技術的にも生産面でも安定した、いわば「枯れた」ものを使う傾向にある。

:その通りです。やっぱり時間がたって、ある程度の実績があるというのは大切です。最先端を走っている製品は、我々の車載品質を満たしていないケースも多いので。車載品質を満たさないと、我々は使うことができませんので。

F:液晶の車載品質って、どのような要求を出すのですか。温度とかはどうでしょう。

:マイナス10度から上はプラスの60度ですね。もちろんこれは公表値ですから、実際はもっともっと厳しい数値で試験をしていますが。

F:熱の問題は大きいですか。

:大きいです。技術の人間は熱対策に関していつも悩んでいますね。特にDINの穴の中に入れてしまうと、熱の逃し場所がなくなってしまうので。ファンをどこに付けてどう回すかとか、みんないつもウンウン悩んでいます。

無償でも改善につながれば嬉しいもの

F:ナビの開発に際して、「市場の声」というのは取り上げているのですか。

:もちろんです。調査会社さんに依頼したり、実際我々の製品を使っていただいているユーザーさんにアンケートをしたり。手前味噌ながら、弊社にはロイヤルティーの高いお客様が多いので、URLが付いたメールをお送りして、「ここにアクセスしてください」というお願いをすると、大変な確率でお答えいただけます。項目がたくさんあって、結構骨の折れる作業だと思うのですが、みなさん真摯にお答えくださいます。ですから開発に際しても大変参考になっています。

F:何かくれるんですか? QUOカードとかおこめ券とか。

:いえ。なにも。

F:タ、タダ?

マイトのY:あのねえフェルさん。みんながあんたみたいにガツガツしているわけじゃないんですよ。自分の意見が製品に反映されて、そこに喜びを見いだす人ってたくさんいるんですよ。

:ええ。ありがたいことです。当然、我々はその声を聞いて改善につなげておりますので、喜んでくださる方もいらっしゃるのではないでしょうか。さらに、お客様相談センターというコールセンターがあって、そちらに電話をくださる方も。

F:コールセンターへの電話は基本的にクレームでしょう?

:もちろんクレームもありますが、「どうしても嬉しいので伝えたい」というお話もいただきます。企画担当に伝えておいてよ、という電話をかけてくるお客様もいらっしゃる。

F:へぇ!

:最近だと、オートモーティブ社社長の楠見(雄規氏)宛てに、「最近ストラーダを買ったんだけど、お宅の製品に感銘を受けた」という長いお手紙をいただきました。安全安心運転サポートといって、速度超過を教えてくれたり、次の交差点は一時停止だよ、というのを言ってくれたりする機能なんですが、それを褒めていただいて。最近痛ましい事故が増えているじゃないですか。その方は学校の先生で、こういう機能が大事なんだと、パナさんよくやっとると。