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F:ところでいまおっしゃった3つの販売ルート。この中ではどこが一番伸びているのですか?

:一番大きく伸びているのがカーディーラーさんの部分です。特に軽自動車のディーラーさん。

F:それはまたどのような……。

:例えば昔ならダイハツさんとかスズキさんとか、ああいうメーカーさんの軽自動車って価格は70万~80万円ぐらいからだったじゃないですか、それに20万円のカーナビを付けるというのは、ちょっと抵抗があったわけですよね。

F:そりゃそうですよ。トータル100万円で、そのうちナビが20万円なんて、とても納得できないです。

:ですよね。だから軽のお客さんは、基本的にナビをディーラーで付けずに後付けしていたんです。ところが、軽自動車の値段はどんどん上がってきています。今や200万円近い軽自動車もあります。一方でナビはどんどん値段が下がっています。

F:なるほど、それで「ディーラーでナビを付けちゃうか」となるわけだ。

:その通りです。もうディーラーさんで8インチ、9インチの高級品を軽自動車に付けるというのは当たり前になっているんですよ。

F:確かに80万のクルマじゃ抵抗があるけれど、200万のクルマなら勢いが付いてエイヤで買っちゃうかもしれません。

:軽自動車の位置付けが変わってきているんですよね。税金が安いとか、維持費が安いというのはもちろんですが、都会では小さいから取り回しがラクで良いじゃないとか、ライフスタイルとして軽自動車を選ぶお客様が増えているんです。フェルさんもクルマの記事をたくさん書いているからご存じだと思うのですが、「値段が安いから軽自動車」という時代は、たぶん終わっていると僕は理解しています。

F:面白い、面白い! ところで日本で初めてナビを作ったのはパナソニックなんですか?

昔は70万円くらいしたものですが

:早いほうに入ると思いますが、一番ではありません。確かパイオニアさんだったと思います。

F:へぇ。パイオニアですか。

:GPSを使わず、単純に道路のナビゲーションという範疇で括るのであれば、ホンダさんが最初になります。透明の、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)に使うようなシートに地図を印刷したのを使う。確か2代目のアコードに載せたんじゃないかな。これがあるから、パイオニアが最初というと、ホンダの人は怒っちゃうんです(笑)。いわゆる今の形のGPSを使ったものだと、やはりパイオニアさんだと思いますね。

F:その当時のナビってひどかったですよね。地図上では平気で海の中を走っていたりして(笑)。衛星の数が今よりも少なかったというのもあるのでしょうが。

:100m程度は平気でズレましたからね。そこに初めてジャイロを入れて、精度を格段に上げて出したのが当社の製品です。これを自律航法と呼んでいます。

F:それはいくらくらいしたのですか。最初のナビは。

:当社の1号機は70万円だったかな。

F:70万! ナビが70万! マジすか!

マイトのY:何でも初号機は高い。ワープロだって最初は100万円くらいはしたんじゃなかったかな。

F:シェー!(イヤミ調)

:ですから最初の頃はウチの販売も輸入車のお客様をターゲットにして営業して。

F:1500万円のクルマなら70万円のナビでも吸収できるだろう、と。200万の国産車にはないよなぁ……。

会議室ではこんなデモ機を用いて説明が行われました。

 今回はナビにまつわるヨタ話に終始してしまいましたが、次回からはもう少し技術的な話に移ります。お楽しみに!