F:技術の深さ、レースに対する情熱というものは、どのように測ったのですか。ホンダはF1の勝利から長いこと遠ざかっていましたが。その状況の中、どうやってホンダを評価したのでしょう。

H:レッドブルのジュニアチームであるトロロッソで1年やったので、そこで判断する準備ができました。まさに去年、このタイミングで発表して、やると決めました。

F:現状ではホンダに変えてから、まだ1度も優勝できていませんね。PUを変更して後悔はありませんか。

H:それでもすでに2つのポディウムを取っています(編注:表彰台に立っている、という意味。オーストラリア、スペインでの3位入賞を指す)。本当はこれが3つになるはずでした。モナコGPでペナルティーがありましたからね。それで順位を落とされてしまった。

F:モナコでペナルティー。ありましたね。

H:今のF1は、メルセデスだけが飛び抜けて強いという特殊な状況にあります。今季は開幕からフランスまで8戦すべて優勝。メルセデス以外で勝ったチームを見つけるには、昨年のメキシコグランプリにおけるレッドブルまで遡らないといけません。さらにフェラーリも手ごわい相手です。ただ、F1はロングタームで見なければいけません。私は「たった今」だけを見ているのではないのです。

会社としてのホンダをどう思いますか?

F:これは私の印象なのですが、F1は非常に特殊な世界で、ヨーロッパのもの、ヨーロッパ人のもの、というイメージがあります。日本のメーカーのPUを使うことによるデメリット……何か不利であるというふうに感じたことはありませんか。

H:ホンダのベースは日本にありますが、ホンダF1の拠点はレッドブル・レーシングと同じミルトンキーンズにあるんですよ。お互いに行き来するのに、クルマで10分とかからない場所にあるんです。だから不利と感じたことはありませんね。我々のコミュニケーションは非常にうまくいっています。そして何よりフィロソフィーが共通している。同じ目標、勝利という目標がありますから。しかももう2回ポディウムを獲得している。とてもうまくいっていると思います。

ホンダの欧州の拠点、英国ミルトンキーンズ。(写真:ホンダ)
ホンダの欧州の拠点、英国ミルトンキーンズ。(写真:ホンダ)

F:レースとは関係なく、「ホンダ」という企業をどう思われますか? 会社としてのホンダをどう評価されますか。

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