レーサーから転身し、チーム運営に

 今回お送りするのは、「レッドブル・ホンダ」、こと正式名称「アストンマーティン・レッドブル・レーシング」のチーム代表である、クリスチャン・ホーナー(Christian Horner)氏のインタビューである。

 ホーナー氏は、1973年生まれの45歳。イングランドはウォリックシャー、ロイヤル・レミントン・スパーの出身である。

 もともとはレーシングドライバーで、1994年から1996年にかけて、イギリスF3選手権に3つの異なるチームから参戦している。1997年に国際F3000に昇格し、チーム「アーデン・インターナショナル」を創設するも、「自分の実力ではトップレベルになれない」と早々に自覚して、25歳の若さで自らシートを降りてチーム運営に集中することとなった。アーデンは2004年にコンストラクターズタイトルを獲得するまでのチームに成長している。

 転機となったのは2005年だ。新しくF1チームを結成したレッドブルが、ホーナー氏をチーム「レッドブル・レーシング」代表に抜擢したのである。同チームの以降の活躍はご存じの通り(F1選手権で2010~13年の4年連続、コンストラクターズとドライバーズチャンピオンを獲得。エンジンはルノー、ドライバーはセバスチャン・ベッテル)。

 ちなみにホーナー氏は、2013年に大英帝国勲章4等勲爵士(OBE)を受勲している。この爵位は、デビッド・ベッカムや野田秀樹氏と同じものである。

(編集部注:このインタビューはレッドブル・ホンダが優勝したオーストリアGPの決勝前に行われたものです)

アストンマーティン・レッドブル・レーシング代表 クリスチャン・ホーナー氏。(写真:Getty Images / Red Bull Content Pool )
アストンマーティン・レッドブル・レーシング代表 クリスチャン・ホーナー氏。(写真:Getty Images / Red Bull Content Pool )

F:はじめまして。今日はよろしくお願いします。

ホーナー氏(以下H):こちらこそ、よろしくお願いします。

F:時間が限られているので、要点だけを簡潔に伺おうと思います。

H:分かりました。ところでこのインタビューは、どのようなメディアに載るのですか。

F:日経ビジネス電子版というメディアに載ります。日本では多くのビジネスパーソンに読まれているものです。NIKKEIをご存じでしょうか。

H:NIKKEI。分かります。経済に関する新聞ですね。

F:その通りです。ですから今回はレースの戦略や展開ではなく、「仕事」の観点から伺いたいと思います。

H:“仕事としてのレース”ですか。それは興味深い。

F:ホーナーさんはもともとレーサーで、25歳の若さでシートを降りてマネジメントに集中されるようになったと伺いました。どうしてそのような早い時期に見切りをつけたのでしょう。

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