クルマを売らないショールーム

 こんにちは、AD高橋です。

 クルマは展示している。だけど売らない。現在、さまざまなブランドが、自分たちのブランドの世界観をユーザーに伝える手段として、ギャラリーのようなショールームを展開しています。

 国産ブランドだとレクサスの「LEXUS MEETS...」がブランドの世界観を表現するショールームの代表格。コンセプトは少し違いますが、トヨタの「MEGA WEB」や古くは東京・池袋にあった「AMLUX」、そして日産の「NISSAN CROSSING GINZA PLACE」などもそのような施設にあたると言えるかもしれません。

 メルセデス・ベンツは2011年、東京・六本木に「メルセデス・ベンツ コネクション」を開設し、2013年には大阪にもオープンさせます。そして2014年には東京ミッドタウンに期間限定で「Mercedes me」を設けました。「Mercedes me」は2015年から東京国際空港に移転、現在は「メルセデス・ベンツ コネクション」という名称がすべて「Mercedes me」に統一され、東京(六本木、羽田)、大阪で情報発信を行っています。

 そんな「Mercedes me」の新たな拠点が今年4月に銀座で期間限定スタート。「Mercedes me GINZA the limited store」は女性にターゲットを絞ったブランド情報発信拠点となっているのが特徴です。

 女性のための情報発信拠点、というのはメルセデス・ベンツでも世界初の試みとのこと。

 美容や趣味など、新しいことに挑戦し、ライフスタイルをさらに充実させたい女性のために参加型イベントを定期的に開催するほか、メルセデス・ベンツの世界観にマッチする商品を販売する「Mercedes-Benz Collection」やご当地グルメの販売などを行っています。もちろん車両展示や試乗も行われています。

 「LEXUS MEETS...」でも感じましたが、このようなショールームは訪れるだけでワクワクします。特にブランドコンセプトに沿って集められた商品は、たとえ私のようにそのブランドのクルマに乗っていなくても欲しくなるものがたくさん。きっとこれを使うと暮らしが楽しくなるだろうなといろいろな想像が広がります。

 このようなライフスタイル提案型のショールームは増えていくはず。これは想像ですが、異業種とコラボしたショールームなども現れるかもしれません。ショールームに足を運ぶと営業担当の方がそばにきて、あれこれ話さなくてはならないのが面倒だという人も、こういうショールームならいろいろなことを想像しながらクルマやさまざまな商品をゆっくり見ることができます。

 「Mercedes me」はもちろん、他のブランドのショールームなどにもぜひ足を運んでみてください。

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