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:すごく遅いと思いますが、走ること自体は可能です。ブレーキ回生もあるので、しばらくは走れるでしょうね。やったことはないですが。

F:このバッテリーは何でできているのですか? リチウムイオン? それともキャパシターですか?

広報松本:ここはNGです。バッテリーの情報はオープンにしてないです。エネルギー量は決まっているのですが、「何で構成されているか」という視点はないので。

F:わかりました。重さは結構あるものなのですか。

:そうですね、バッテリーはわりと重いです。でも置き場所がシートの下のあたり、バラストの近くにあるので、車体の性能に大きなデメリットになっているかというと、実はそれほどでもありません。

F:湊谷さんは、ピエール・ガスリー選手の専属エンジニアで、彼と一緒にトロロッソからレッドブルに異動してきたと伺いました。

:はい。その通りです。まあ異動といっても、同じホンダなので。

ピエール・ガスリー選手(写真左)

F:エンジニアというのは、ドライバーと一緒に動くものなのですか。

スパナに至るまでガスリー専用

:この業界ではよくあることです。ドライバーの好みによって、マシンのセットアップの方向性は大きく違ってくるので。2台クルマがあって、何から何まで全部一緒かというと、実は結構違っていたりするので。

F:ピットに並んでいる2台のマシンは、同じように見えて結構違う。

:セッティングが違いますからね。同じPU、同じパーツを使っているのですが、ドライバビリティはかなり違います。ドライバーによって、それぞれ好みが異なりますので。だからフォーミュラワンの世界では、基本的にドライバーとエンジニアの組み合わせは変えない、というのがスタンダードです。

F:レース中にマシンがピットインしてくると、ワーッとピットクルーが集まって一斉に作業をするじゃないですか。あのメンツも決まっているのですか。ガスリー担当、(もう一人の選手の)マックス・フェルスタッペン担当というのは明確に決まっていますか? 人の行き来はない?

:もちろん決まっています。何か事情があって、そうせざるを得ないときを除いて、人の行き来は基本的にはないです。人だけではなく、工具の貸し借りもありません。ガスリーのクルマと、フェルスタッペンのクルマは、それぞれ違うスパナで締めています。

 ガレージのオペレーションって、人と人とのコミュニケーションですべてが成り立っているんです。人を代えると、コミュニケーション上の誤解が生じる可能性があります。その誤解がもとになって、ミスしてしまうということもあり得るので。

F:コミュニケーションが大事ですか、F1の現場では。