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:それも言えません。ウチも言えないし、向こうも言っていない。向こうが言っていないのに、ウチが一緒ですとは口が裂けても言えません。

F:なるほど。言えるのはすべてが同一線上でつながっているということだけですか。

量産車とは違うのですよ

:普通のターボ車のウェイストゲートって分かりますか。

F:分かります。あのプシューっと圧を逃がすやつ。

:そうですそうです。ターボエンジンはタービンで排気ガスからエネルギーを吸収するので、全開で走っていくとターボの回転数って際限なく上がっていくんですよ。ターボの回転が際限なく上がっていくとどうなるか。シリンダーに押し込む空気が際限なく増えていくので、エンジンに対する負荷もどんどん上がっていってしまう。

F:なるほど。エンジンに空気が入り過ぎちゃう。

:そう。入り過ぎちゃう。だから壊れちゃう。もう一つマズいのは、ターボの回転数が上がり過ぎると、遠心力でターボ自体が壊れてしまう。超高速回転でシャフトが“振れ”で壊れちゃったり、タービンのブレードが割れちゃったり…..。だから通常のクルマは、必要なトルクがある限りはウェイストゲートを開けて排気のエネルギーを外に逃がしてやる。信頼性のためです。

F:本当はギリギリまで圧を使いたいんだけど、エンジンとターボを壊さないために逃してやる。

:そうです。それが量産車の考え方です。

F:昔、暴走族の人がこれ見よがしにプシュプシュやっていたじゃないですか。ポン付けのターボで。あれは必要なものだったのですね。

:暴走族でも一般車でも、あれは必要なものです。あれがないと際限なく回り過ぎちゃうので、どこかでコントロールしなきゃいけない。壊れる手前で。ターボ車であれば必ず付けるものです。で、ここからが我々のパワーユニットの話です。

左から、私、今回お話を伺った湊谷さん。次回お話を伺う予定の鈴木さん。鈴木さんの経歴が面白いんだまた。

 おっと。いいところですがそろそろ会社に行く時間です。
 休みの間に(今度こそ)原稿貯金をする所存であります。
 沖縄と台湾でそれぞれ1本ずつ書こうと思います。
 それではみなさまごきげんよう。
 マイトのY氏はお仕事頑張ってねー(笑)。

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