F:F1にF2にF3。これは結構なボリュームのお仕事ですね。

:いやいや、それでも全然減りましたよ。二輪をまったく見ないのだし、国内のGT(スーパーGT)、SF(スーパーフォーミュラ)、F3、F4。これらをまったく見なくなるのだから。

F:山本さんの後任は誰がやるのですか?

:メキシコホンダ(ホンダ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ)の社長をやっている清水宏が帰ってきて、モータースポーツ部長に就任します。

F:F1マネージングディレクターという役職に前任者はいたのですか。

:いなかったです。新設のポジションですね。F1を集中してやれということで、新しくできた仕事です。

F:山本さんご自身として、どのように受け止めておられるのですか。F1に集中できて、めでたいことなんですか。それともモータースポーツ全体を見られなくなって、ちょっと残念なことなのでしょうか。

:F1はホンダとして最も重要なレースだから、お前そこに集中して何とかしろ、と八郷(隆弘)社長から言われたときは、嬉しさと寂しさの両方の感情が一緒に湧きました。(2018年は)国内で四輪はスーパーGTも勝ったし、スーパーフォーミュラも勝った。でも二輪は負けが続いているから、そこはもう少し頑張りたかった。国内で二輪は4連敗しているので。

メルボルンのレース期間中に誕生日を迎えた山本さん。4人のF1パイロットから祝福されました。
メルボルンのレース期間中に誕生日を迎えた山本さん。4人のF1パイロットから祝福されました。

F:えぇー! ホンダは二輪が圧倒的に強いと思っていました。

:いやいや、そうでもない。モトGPは勝っているけれど、8耐(鈴鹿8時間耐久ロードレース)では4連敗しているので。やっぱり8耐で勝ちたいですよ。国内ではここ数年ヤマハが強いし、カワサキもすごく速くなってきている。ウチとしてもそれなりの手も打ってきて、今季はその集大成をお見せできる年だと思っていたので、そこは正直残念ではありますね。

普通の仕事とは緊張感が違う

F:いろいろな思いがある中で、とはいえこのメルボルンでイキナリの表彰台です。

:ちょっと「出来過ぎ」というところもあるのだけれど、やっぱり嬉しいですよね。この仕事、正直ヤバいですよ。

F:ヤバいですか。キてますか(笑)。

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