:うん。でも僕はそうじゃなくて、わからないことはすぐに聞いちゃう。「何でも聞くんじゃないよ」って、怒られたこともあるけれど、それでも何でも聞いちゃう(笑)。

 なぜかって、僕らがやっているのはレースだからです。僕らはF1という世界最高峰のレースをやっている。その目的はただ一つ。単純に「勝つため」です。では勝つためにどうするか。これはレースだけじゃなくて、すべての仕事に言えることだけど、目的をクリアにすることです。目的を達成するためには、何が何でもやりきるためには、自分が持っていない知識を何が何でもインプットすることが重要です。そのためには、わからないことはすぐに人に聞く。人に聞いて手に入れるしかない。

ホンダF1チームの面々と。
ホンダF1チームの面々と。

F:なるほど。目的が明確であれば、人に聞くことなんて恥ずかしくも何ともないと。

:そう。知らないなら素直に聞く、調べる。今はネットで大抵のことは調べられます。でも、うんと深いこと、本当に大切なことは、そう都合よくネットには転がっていません。やっぱり、その道を究めた人に聞くしかないんです。聞いてディスカッションして、「あ、なるほどそういうことですね」、と納得することがとても重要です。

F:エキスパートに聞いて、ディスカッションする。そうしたほうが、いわゆる「腑に落ちる」、ということなのでしょうか。

:そうそう。直接話せば腑に落ちる。コミュニケーションを取ることで、普通に会話している中からすごいノウハウがポロッと落ちてくることはよくあります。だから僕はface to faceをすごく大事にしています。そして、知ったかぶりは絶対にしない。

F:知ったかぶりしてしまう人は結構多いですよね。

:うん。でも知ったかぶりをしたっていいことなんか何一つない。

新しい仕事への思いは?

F:なるほど。この4月から山本さんのお仕事は大きく変わるとうかがいました。そのあたりをお聞かせください。

今期からトロロッソ・ホンダのF1をスポンサードすることになったBuzz Asset Management(バズ・アセット・マネジメント)の長谷川社長と山本CFO。すでにFIAのF2とF3をサポートしているBuzzは、「若手のドライバーにより多くのチャンスを与え、育成していきたい」とのことでした。
今期からトロロッソ・ホンダのF1をスポンサードすることになったBuzz Asset Management(バズ・アセット・マネジメント)の長谷川社長と山本CFO。すでにFIAのF2とF3をサポートしているBuzzは、「若手のドライバーにより多くのチャンスを与え、育成していきたい」とのことでした。

:今まではホンダのモータースポーツの全体の部長だったから、それこそ二輪も四輪も、モトクロスから、トライアル、ロードレースからF1まで、全部を見ていました。これからはそれがF1一本になるということです。この4月から、F1のマネージングディレクターになります。

F:F1の活動に集中できるということですね。

:あとFIAのF2とF3。そこだけは見させてもらおうと思っています。

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