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 めでたい。実にめでたい。

 F1世界選手権の開幕戦で、レッドブル・ホンダを駆るマックス・フェルスタッペンが3位に入賞した。ホンダのF1パワーユニットを搭載したクルマが表彰台に上るのは、実に約11年ぶりのことである。
 これをめでたいと言わずして、何がめでたいのか。

 バンプの多いアルバートパーク・サーキットは、クルマの信頼性が問われる難しいコースだ。
 その難コースでつかんだ表彰台。

 31周目、4位スタートでそのままポジションを維持していたフェルスタッペンが、前を行くセバスチャン・ベッテルのフェラーリをブチ抜いた時には、思わず大声を上げた。
 メディアルームは騒然とし、前のスタンドからも大きな歓声が聞こえてくる。

 雌伏11年。これがホンダF1復活の狼煙となるのか。
 それとも一発のラックだったのか。
 レースを重ねるごとに、その実力は証明されていくことだろう。

 ホンダはいかにして開幕戦で3位になったのか。これから表彰台の中央に立つことはできるのか。それはいつになるのか。2019年4月にホンダF1マネージングディレクターに就任する山本雅史モータースポーツ部長にお話をうかがった。

 山本さんのお話に入るその前に。
 メルボルンから成田に戻るJALの機内で起きた一幕をご紹介しておこう。

 成田への着陸前。私はトイレの前で順番待ちをしていた。10時間以上の長いフライトだ。
 足腰がすっかり固まってしまったので、ゆるゆるとストレッチをしながら待っていた。

 しばらくすると、機長のアナウンスが始まった。「当機はあと15分ほどいたしますと、成田国際空港へ向けて降下を開始いたします」という例のアレだ。今のうちに小便しとけ、椅子を起こせテーブル戻せ、と通り一遍の“事務連絡”が続く。当然ロクに聞いていない。
 それより前の客が長グソである。早くしろ。漏れる。